誰しもが避けられない自然な衰え(老化)とオーラルフレイルの違い

左の図で示したオーラルフレイルの現象は、誰しも避けられない老化として捉えることもできます。

しかし、自然な衰えである老化とオーラルフレイルの違いは、オーラルフレイルが社会的問題、精神心理的問題と複合して生じる「不自然な衰え」であることです。

したがって、適切な対応により、オーラルフレイルは回復可能であることがわかっています。

一方、オーラルフレイルを放置すると、生理的老化に加え、さらに口の機能の低下が進んでしまいます。

この点が、自然な衰え(老化)とオーラルフレイルとの大きな違いです。以上を踏まえ、オーラルフレイルは以下のようにまとめられます。

「老化に伴う様々な口腔環境(口腔衛生など)、歯数および口腔機能の変化、さらに心身の予防機能低下も重なり、口腔の健康障害に対する弱性が増加し、最終的に食べる機能障害へ陥る一連の現象および過程。」

ここで示したように、オーラルフレイルは、これまで、老化、廃用として解釈されていた口の機能低下を可視化したモデルともいえます。

口の機能低下(口腔機能低下症など)および食べる機能の障害(咀嚼嚥下機能障害など)は、オーラルフレイル概念を構成する一要因として位置付けられます