少し前に、会社の同期から紹介されて、角田光代さんの『対岸の彼女』(文芸春秋)を
読みました。
いまの自分の年齢にもぴったりと来たのかもしれません、一気に読んでしまいました。
負け犬ブームがありましたけれども、女性ならではの立場や感情って、ありますよね。
私の周囲も例外ではありません。もちろん私も含めて。
今年30歳の1975年うまれ組なのですが、周囲の友人にも、結婚する人しない人、
子供をもつ人もたない人、専業主婦になる人働き続ける人、様々な価値観で生きている
人がでてきています。
そういうものは学生時代にはなかった多様性です。
正直なところ・・・生き方が違ってきた相手には、話題を選んでしまったり、話しにくいと
思うことが時折あります。
私の場合、結婚はしていますけれど、働き続けていて、子供はいないわけですが、
子供のいる友達から「子供を早くね!」と言われると、彼女に悪気がないのはわかって
いるのですけれど、うーん、今は子供は考えていないんです・・・と、少し面倒に思ったり。
これが不思議と、例えば親戚の伯母さんに言われたのなら笑って許せるのですけれども、
対岸の彼女に言われると、むむむ、と思ってしまうのです。
かくいう私も知らず知らずに、自分の価値観で当然と思って発言したことが、誰かを
嫌な気持ちにさせているかもしれません。
ぐるぐると考えた挙句、やはり対岸にいる彼女の気持ちを考えて話さないといけないと、
いわばコミュニケーションの基本のところに行き着くのですが、この基本のところが
なかなか難しいときがあります。
やはり人間はどうしたって無意識に自分の価値観でおしていってしまいますから、
なにか思うところがあっても、相手の発言に悪気がなさそうと思えたら許す(流す)、そして
自分も悪意の発言はしない、ここに集約されるのかな。
あれ、それって対岸の彼女に限ったことではないのかな。
ごめんなさい、書きながら考えていて。
男だったら楽だったのにというのは短絡的とわかっていますが、敢えて言います。
女性はたいへん!
それでもいつからか、女性のほうが選択肢が多いのでお得だわ、と思うようになりました。
家庭に入ってもよし、キャリアに邁進してもよし、という意味で、です。
もし次の人生があるなら、私はやはり女性を選ぶと思います。