時刻が11時を回り、ケータイのアラームが
けたたましく鳴り響く。
11時かっっ。
駐車場の車でクーラーをかけ、待機。
暑さを避けつつ、軽く一眠りして体力を蓄えて
おいたのです。
出番まであと50分。
そろそろ行くか・・・。
車から出た瞬間。
あっつ。
何やこれ!!
思わず車の気温計を見る。
32度・・・???
おいおい!!まてや!!
ギラギラの太陽が真上に近いところまで上ってる。
蜃気楼でも見えそうだなこりゃ・・・
再び会場へ。
39歳以下9kmに出場するとおぼしき人たちが、
練習コースを大勢走っています。
そこで初めて気付きました。
みんな、めっちゃアスリート体型っっ!
素人みたいな人、一人もおらんし!!!
なんなん!!!
どうやら、クロスカントリーってのはそのハードな
特性上、素人が軽々しく参加する大会ではないようです。
初めて知りましたよ・・・。
腕に覚えあり!的な、鍛え上げられた身体を
持つ人たちの集まりと化してました・・・。
やばすぎる。
一人だけピクニック気分での参加だ。
浮いとる!
場違いや!!
後悔っっ!!!
・・・・いや。
オレだって、7ヶ月間走りこんできたじゃないか。
子供を寝かしつけた後の深夜。
子供が目を覚ます前の早朝。
黙々とトレーニングを続けてきたんだ。
この人たちみたいな戦歴はないけれど、
並んでスタート地点に立つ権利は、ある!!!
誇りを持て!!!!
「こうなったら、やってやろうじゃないか」
そうポジティブに気持ちを切り替えることにしました。
猛者たちの中に紛れ、練習コースをしばらくジョグ。
走れる!
走れるぞ!!
ひざ、腰、痛くない。
少し心拍数を上げといたほうがいいな。
スピードを上げてみる。
快調。
死ぬほどあっついけど、身体の調子はいい。
よしよしっ。
そうこうするうちにスタート地点では、係の人が
拡声器で走者の呼び込みを始めます。
「呼ばれた方は、順にスタートに並んでくださいね。
・・・番、・・・番、いますか?はい、急いで。。・・・番・・・」
パート1は100人。
全員がスタートに並んだところで、改めてまわりを観察。
やはり誰もが「走る人」の体つき。
でも10人くらいは僕みたいにふつうの感じの人がいた!
こいつらには勝てるかも!!!
よし(笑)!!
今回の自分の目標タイム。
9キロを60分内で走ること。
大体、今の僕の実力が平坦なアスファルトで
10キロ54分。結構頑張ってそんくらい。
今回の山道とハードな坂、激烈な炎天下と言う
悪条件を加味して、目標を9キロ60分に設定しました。
つまり、1周20分のペース。
ちょうどそれくらいだと思う。
後半はバテるかも知れんけど、まずは完走。
最後までギブアップせず頑張ろう。
そう決意を固めました。
固めたそのとき、係の人が拡声器で全員に呼びかけ。
「では、もうそろそろスタートとなります。
気温は33度まで上がっております。非常に暑い中となって
おいますので、途中2箇所の給水ポイントで確実に
水分を取られるようにし、熱中症を予防下さい!」
そうやな、うんうん。
「なお、ルールの確認ですが、
スタートから40分を経過した時点で
2周目が終了していない方は、
リタイアとなります。ご注意下さい。」
・・・え????
マジ???
大会要綱、読み落としてた!!
オイラ3週60分が目標なんですけど!!!
2周40分でアウト!!!???
やばい、やばいやばいやばいやばいやばい!!
「それでは間もなくスタートです!30秒前・・・」
視界が一瞬霞んだ。
身体が震えてくるのを感じた。
ハードすぎる・・・
オレ・・・完走できるんだろうか・・・。
「20秒前・・・10秒前・・・!」
やるしかない・・・やるしかないんだ・・・!!!
噴出す汗が、頬を次々と伝う。
真上から照りつける太陽。
唾を飲み込もうとして、口の中がカラカラに乾いて
いることに気付いた。
続くうううううう!!!!