今年のツール・ド・フランスもいよいよ佳境に入って来ました。マイヨジョーヌ争いは本命のポガチャルが一歩リードという状況です。
そこで今回は、L'ENCYCLOPEDIE DU MAILLOT JAUNE(マイヨジョーヌ百科事典)という本を見ながら、マイヨジョーヌにまつわるトリビアをご紹介したいと思います。
ツールの総合トップのシンボルとしてマイヨジョーヌが誕生したのは1919年です。それから2023年まで105年間の記録を見てみましょう。
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■マイヨジョーヌ最多獲得回数
5回 ジャック・アンクティル(1957, 61, 62, 63, 64)
エディ・メルクス(1969, 70, 71, 72, 74)
ベルナール・イノー(1978, 79, 81, 82, 85)
ミゲル・インドゥライン(1991, 92, 93, 94, 95)
これはご存知の方も多いでしょう。
各年代を代表するスーパースター4人が5勝で並んでいます。
このうち、5年連続で優勝したのはインドゥラインのみです。
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■マイヨジョーヌ国別獲得回数
28回(36回) フランス
15回(18回) ベルギー
12回 スペイン
10回 イタリア
6回 イギリス
4回(5回) ルクセンブルグ
3回 アメリカ、デンマーク
2回 オランダ、スイス、スロベニア
1回 ドイツ、アイルランド、オーストラリア、コロンビア
(カッコ内はマイヨジョーヌ誕生以前を含む優勝回数)
これはツールの国別優勝回数です。
ルクセンブルグが意外に多いんですね。
近年はグローバル化が進み、地元のフランスは直近39年間、ベルギーは48年間優勝から遠ざかっています。
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■マイヨジョーヌ最年長・最年少獲得記録
最年長:フィルマン・ランボー(1922 36歳 4ヶ月)
最年少:エガン・ベルナル(2019 22歳 6ヶ月)
*マイヨジョーヌ誕生以前には19歳での優勝記録がある。
ベルナルの優勝は記憶に新しいところです。最年長優勝は100年以上前の記録ですね。
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さて、ここからは、各ステージでのマイヨジョーヌにまつわる話です。
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■マイヨジョーヌを着た選手数
279人
(1人で複数回着た場合も1人としてカウント)
105年間の歴史の中で、1ステージだけでもマイヨジョーヌに袖を通した選手はこれだけいます。
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■マイヨジョーヌを着た選手数 国別トップ5
85人 フランス
58人 ベルギー
28人 イタリア
19人 オランダ
14人 ドイツ
上位4カ国はイメージが湧きますが、ドイツが意外に多いのに驚きます。
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■マイヨジョーヌを着た日数 トップ5
97日 エディ・メルクス
76日 ベルナール・イノー
69日 ミゲル・インドゥライン
59日 クリストファー・フルーム
51日 ジャック・アンクティル
4人の巨人に混じって、フルームが4位に入っています。フルームの優勝回数は4回ですが、5回優勝のスーパースターと並ぶ2010年代の巨人であることがわかります。
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■マイヨジョーヌを着た人数 年別最少・最多記録
最少:1人(1924、1928、1935)
最多:8人(1958、1987)
第1ステージから最終ステージまで誰にもマイヨジョーヌを渡さなかった『完全優勝』の達成者が史上3人います。24年のオッタビオ・ボッテキア、28年のニコラス・フランツ、35年のロマン・マースで、いずれも戦前の記録です。
一方、一番多かったのは8人という記録で、一旦手放した後で再び取り戻した選手もいるので、シャルリー・ゴールが優勝した1958年にはマイヨジョーヌの移動が10回あり、ステファン・ロッシュが優勝した1987年にはマイヨジョーヌの移動が9回ありました。
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■初日のマイヨジョーヌ獲得回数 最多記録
5回 アンドレ・ダリガード(1956, 57, 58, 59, 61)
ファビアン・カンチェラーラ(2004, 07, 09, 10, 12)
1950年代に活躍したダリガードは計6回マイヨジョーヌを着ていますが、そのうち5回は第1ステージの優勝で獲得したものです。
近年では、おなじみのカンチェラーラも初日に5回優勝しており、ダリガードに並ぶ『ミスター・オープニングデー』です。
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■最終日に逆転でマイヨジョーヌ獲得
1947 ジャン・ロビック
1968 ヤン・ヤンセン
1989 グレッグ・レモン
最終日での逆転優勝というと、89年にレモンが個人タイムトライアルでフィニョンを逆転した例があまりにも有名ですが、それも含めてツール史上3回あります。
90年代以降は、『最終日=パレードラン』が慣習化されてしまったため、最終日の逆転優勝は起こらなくなってしまいました。しかし、今年は35年ぶりに最終日の個人タイムトライアルが復活しますので、劇的な逆転優勝もあるかもしれません。私は密かに期待しています。
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いかがでしたか?
まだ他にもマイヨジョーヌにまつわる様々な話が載っていますが、また機会をみてご紹介したいと思います。