子どもの頃
亡父との約束は
殆ど守られることがなかった
今夜は一緒にご飯を食べよう
週末は一緒に遊園地に行こう
夏休みは家族で旅行に行こう
どんなに約束しても
指切りしても
当日になると
仕事が入ったからって
簡単に約束は破られてしまうの
ホントは仕事じゃなくて
お妾さんの家から
帰ってこなかっただけだって
いつからか気づいてたのだけどね
何度も何度も
その繰り返しをしてるのに
それでもまた約束するのは
何かで父と繋がっていたかったから
父に愛されてる自信がなくて
いつだって不安で
寂しい気持ちを抱えてたから
約束って儀式を行うことで
その期間だけでも
父を近くに感じたかったのね
約束が守られないのなんて
慣れっこになってても
どこかで期待して
楽しみにしてるから
あー やっぱりと思いつつ
凹んで
潰れて
心はペチャンコになってた
それがトラウマになってるのかな
今でも約束ってどこか怖い
お相手が大切であればあるほど
守られなかったときの
ガッカリな気持ちが大きいから
期待しないでおこう
話し半分に聞いておこうって
心に予防線を張ってる
仕方のないことがあるって
頭ではもちろん理解してるのにね
それでも
きっとこれからもずっと
何度傷ついたとしても
信じたいと思って
約束するんだろうな
大切な人とは
そうして繋がっていたいから
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