大学院では学びの楽しさを学んだ。研究に没頭した。
考えることがやめられなくなり、睡眠も殆ど取らずに取り組んだ。
実はこの頃からもうおかしくなっていたのかもしれない。
ある日死のイメージがやってきた。
心が常にワサワサして研究どころではなくなった。
その頃の記憶があまりないのだが、結局、研究は中途半端になった。
心のコントロールができなくなった、考えをまとめることが困難になった。
景色がモノトーンに見えた。色彩がなくなった。何事にも興味を持てなってしまった。
身体は、太ったり、痩せたりしながら、結局太っていった。
ほとんど横になっていた。
指導教員のすすめで、働くことにした、鬱のドツボから抜け出せと。
それがおよそ10年前、最近過去の出来事を振り替えると、いつも10年位前の話に思える。
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仕事を始めてからも「論文を書き始めた」、あるいは、「書き始めるという意思表明」を診療中医者にすることがあるが、それは双極の波による一時的な高揚状態が私をその気にさせているという。
これが医者の見立てだ。書ける気がするときと、全く書く気にならないことがある。
これって誰にでもあると思うのだが、やはり病気のせいなのだろうか?
双極性障害Ⅱ型という病名をやっともらえて、安心した。
そして、その典型的な患者に自分がなろうとしているような気もする。