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車は空地に止められた。
私は出来るだけ
短く済ませたかったから
気持ちをはっきり
伝えなきゃって
ずっと構えてた
そしたら
シートを倒されて
無理矢理キスされた
いっぱい抵抗した
涙が流れた
押さえ付けられて
やだって何度も言った
ホントに嫌いになったのか確かめさせて
そぉ言って
私の中に入ってきた
本当に悲しい行為だった
きっと彼には
私の色んな気持ちが
伝わったんだと思う
途中で止めて
涙を拭いてくれた
嫌いにならないで
俺の前から
いなくならないで
俺まだお前のために
なにもしてやれてない
もう少し
俺を見ててほしい
もぉ
無理だから
そうは言えなかった
もう少し
頑張ってみよう
今は
そんな感じで
過ごしてる
夜中に
家を出るのは久々
少し肌寒くて
でもそれが気持ちいい
迎えに来た彼は
「久しぶりに
この辺きたなぁ」
そぉ言って
車を海に向けて走らせた
海についてからは
防波堤に座って
彼に背を向けて
月を眺めてた
「怒ってる?
そっちばっか見ないで
こっちに顔みせてょ」
「カオナシだから無理」
なんていつも通りな
会話を交わして
出来るだけ
本題を避けてた
終始無言に近い私
彼は
髪を撫でてきて
ゆっくり腰に手が回って
車に戻ろうと
促された。
