とりあえず医師な僕の日常

とりあえず医師な僕の日常

比較的仕事熱心だけれどもそれ以上に趣味に没頭する20代の都内勤務医です。好きなこと、嫌いなこと、誰も興味のない僕の日常を、暇つぶしに読んでやってください。

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昨日のお昼の勉強会でこんなネタがありました。


一般のかたも読めるようにわかりやすく書いてみるので、医学的に間違ったところもあるかと思いますがご了承を。


患者さんは25歳の女性。

最初は発熱と頭痛でかぜをひいたのかなー、という感じで様子を見ていました。

風邪自体は2,3日で治ったのですが、それから2日後・・・


今度は突然、部屋の中でぶつぶつと独り言を言うようになってしまいました。

しまいには痙攣も起こしてしまい、


これはどうしたことかと、親に病院に連れられてそのまま入院になりました。


挿管(人工呼吸器のチューブを気管のなかにいれる)して、落ち着いたところで観察すると、

この患者さんは、規則正しく、首をたてにふっている様子がみられました。


脳の画像検査(CT・MRI)でも異常がありませんでした。

(MRIで、前頭葉の深部白質に数mmのT2高信号域を認めるのみで有意な所見なし。)


脳波をとると、どーにも変な脳波が出ています。

(Fp,Fに突発波あり。C-P-Oにα波を認めない)


さあ、これはなんでしょう?!


脳炎(ウイルス性、細菌性)、髄膜炎、ADEM、プリオン病、原虫症、急性一過性精神病性障害…


なんかがあげられるでしょうか。

ちなみに私はウイルス性脳炎なのではないかと思いながら話を聞いていました。


さて、ここでヒントがあげられました。


スクリーニングのCTで卵巣腫瘍を指摘された

(おなかのCTをとったら卵巣にデキモノが見つかった)

ということです。


小生、恥ずかしながら全然わかりません;


プレゼンターの神経内科のDr.曰く、

「ここまでくると我々は、ほとんどひとつの疾患を必然がごとく考えます」


ほんとかよ・・・と思ったのはさておき、正解は、


抗NMDA受容体脳炎


でした。


っていうかなんですかそれ?!状態です。



さて、抗NMDA受容体脳炎とは…?

さらーっと説明すると

・若年女性に好発

・感冒症状後に統合失調症様の精神症状を呈する(独語、幻聴など)

・精神症状後に痙攣をおこすことも

・卵巣腫瘍(男では睾丸腫瘍など)を高率に合併する


って感じだそうです。


詳細は

www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/048110920.pdf


ご参照ください。


まだまだ勉強することがいっぱいありますね。

それではまた!



はじめまして、なんて出だしで書き始めるとまずは自己紹介から書かなくてはならないような気がするのですごく抵抗があったのですが、他にタイトルも思いつかないので「はじめまして」にしちゃいました。


さて、ブログを始めた理由も自分の事も、後日にとっておくとして、ほんとになんでもない一日の事をさらっと書きましょう。


僕、いくえみ綾さんという漫画家が好きで、よく読むんですけど、

僕がマンガを読む時間は、

①仕事に出かける前の朝

②寝る前

③休日

といったところなんですけど、

よくよく考えてみれば、①以外はみなさんにとってもごく当たり前のことでしたね。


それで、今日も①のように、朝、朝ご飯を食べながら

いくえみ綾さんの「いとしのニーナ」を読みました。


この漫画は、なんか救われないんだか、どーなんだか、もやもやする終わり方がすごく…好き。

そんな感じでもやもやを引きずりながら連休明けの、病院へ向かうのでした。


読んだことのない皆様もこの際に是非ご一読を。

ニーナちゃんがすっごくかわいいです。

(潔く柔くのカンナに似てなくもないが)



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いくえみさんの漫画については一度どこかでまとめて書きたいと思います!