【60】
英雄はDIRTY OLD MANに手首を掴まれていたものの、スキを見て逃げ出した。
DIRTY OLD MAN「あ!コラ!待たんか!」
和郎「英雄さ〜ん!置いてかないでw。」
英雄は必死で逃げた。走りに走ってなんとか逃げ延びた。
みんなで手分けして町中を探したものの、ついに英雄は発見されなかった。
仕方なくDIRTY OLD MANは、指名手配・英雄を捕まえるためにポスターを掲示することにした。
【WANTED!この顔みたら110番→http://tux.thebbs.jp/nfs_img/9337,1209223835.jpg 】
ポスターを見た人はみんな不快な気分になった。警察署には苦情がたくさんきた。
「気持ち悪い」「不愉快」「死刑」「孤独そう」「弱そう」「学歴詐称してそう」「無職」
とたくさんのクレーム処理にてんてこ舞いになった。
【61】
気持ち悪いポスターにコウベの町が激怒しているころ、和郎は薫と同じ留置場にぶちこまれていた。
それまで和やかだった留置場が和郎が来たことにより殺気だった。
まず口を開いたのは各無しだった。
各無し「くっせーなぁ」
和郎「誰かオナラでもしましたかねw?」
各無し「馬鹿。お前の体臭だよ!ウッ…息も臭いな。喋るなハゲ!」
消灯時間になると、あちこちから臭いとうめき声が上がった。
看守「全員静かにしなさい!」
各無し「だって臭くて寝れねぇよぉ…ってアンタはガスマスクかい!」
看守はちゃっかりガスマスクを被っていた。
薫は慣れていたので、鼻にティッシュを詰め込んで眠りについていた。
【62】
各無したちは、すやすや眠っている薫を見ているうちにだんだん腹が立ってきた。
怒りが頂点に達し、看守が見ていないスキに薫をボコボコにし始めた。
薫「親分やめて下さいよ〜(泣)」
泣きながら訴える子分の薫。その時看守が気付いたのが足音が聞こえた。
慌てて寝たふりをする各無したち。こっそり和郎を蹴っ飛ばすと和郎は跳び起きた。
やって来た看守が顔を腫らした薫に気付いた。
看守「小坂!貴様なにを騒いでいる!」
和郎「えw?」
看守「薫に暴行を加えたのは貴様だな?」
和郎「?????w」
各無しは、さも今起きましたみたいなツラで看守に「そうです」と答えた。
【63】
翌朝、和郎は薫への暴行とそのあまりに酷い体臭から、みんなから隔離されることになった。
和郎は何もない狭い部屋で暇を持て余していた。
三度の食事はいつも日の丸弁当で完全に辟易していた。
和郎「看守さ〜んw。」
看守「なんだ?田舎馬鹿。」
和郎「日の丸弁当飽きましたw。ウンチ食べさせてw。」
…看守は黙って歩き去ってしまった。
そのころ英雄はまだコウベの街の片隅で息を殺していた。
英雄は薫と和郎を助ける気などもはやなく、この非常線を突破しFueLたちをフルボッコにすることだけを考えていた。
夜中になるのをじっと待ち、FueLらの泊まっている高級ホテルまで近付いた。
最上階のスイートルームでは英雄のことなどすっかり忘れていた4人が眠りについていた。
【64】
英雄はホテルにつかつかと入って行くと、フロントにいたホテルマンに詰め寄った。
ホテルマン「お客様何か御用でしょうか」
英雄「ここにがりがりって奴が泊まってるだろ。」
ホテルマン「そのようなことはお教えいたしかねます。」
英雄「知り合いなんだ。早く部屋に案内しろ」
ホテルマン「申し訳ありませんが…」
英雄「早くしろ!殺されたいか!」
あまりの怒声にホテルの代表が出てきた。
白髪混じりの貧相な身体つきの優男であった。
代表「お客様、申し訳ありませんがお引取願います。
他のお客様のご迷惑になりますので…」
英雄「うるさい!ごちゃごちゃぬかすな」
代表「申し訳ありません。」
代表が深々と頭を下げた瞬間、英雄は代表の頭を殴りつけた。
だが代表は何事もなかったかのように顔を上げた。
英雄「なんだその態度は?」
代表「は?」
英雄「もう一発喰らいたいか?」
代表「何のことですか?」
英雄があまりにも弱いため、殴られたことに気づかなかったようだった。
昔書いたのはここまでのようです。
我ながらなかなか面白かったですw