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またもや昨夜は忘れてしまいました。(汗)

ですから、今夜も2話連続更新です。
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第二百八十五章:主力は健在

翌日になってからマレート伯爵夫人の領土から食料が届けられた。

これで兵站の心配は無い。

更に職人なども来てくれたので私たちが直した屋根服 売るをまた改めて直してくれるから民達にとっては良いだろう。

少佐は食料の受け取りなどをフォックス伍長に任せエドリアス大尉とフィリップ男爵にゲンハルト様、イザベルさんを首都へ帰した。
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帰る間際にフィリップ男爵は民達にこう告げた。

「私はまた戻って来る。それまでは将軍達に協力し中央貴族たちが来たら手厚く迎えて奴等の気を引いてくれ。そうすれば奴等の不正を暴ける・・・リカルド様の志が叶うのだ」

バルガーという男性がフィリップ男爵の所へ行き頷いた。

「必ずその言葉通りにします。司教様、どうか男爵様をお願いします。それから・・・ゲンハルト様。地方の未来は貴方に託します。きっと良い未来を築いて下さい」

「・・・・必ず築き上げよう。私の命を賭けて」

ゲンハルト様はバルガーに真正面で見て誓う。

そしてヘリに乗り首都へと戻って行った。

私たちの方は食料などの分配なども考えて今日もここに留まる。

とは言え明日になればまた出発するが。

まだ斥候は帰って来ないが陣地を探すのに苦労しているのか、または敵と交戦しているのか・・・・・・・・・・・

もし、敵と交戦しているなら連絡をする暇が無いのかもしれない。

若しくはやられたのかもしれない・・・・・・・・・

どちらかは分からない。

今は待つしかない。

女神の抱擁を取り出して銜える。

「ねぇ、お兄ちゃん」

声を掛けられて振り返るとフィー嬢が立っておりこちらを見上げている。

お兄ちゃん、か・・・・昔を思い出すな。

妹がよく私と弟の後を追い掛けては私を呼び止めた物だ。

今は何処に居るのか・・・・・・・・・

兄でありながら聖騎士団の仕事が忙しくて手紙のやり取りもしていない。

これで兄と呼べるのか?

呼べない・・・2人が奉公する店の名前と住所くらいは知っているが・・・・・・・・・

「ねぇ、お兄ちゃん。お兄ちゃんって兄弟が居るんでしょ?」

フィー嬢は淡い碧色の瞳で私を見上げて来る。

妹は青色だが・・・似ているな。

「居るよ。弟と妹がね」

「弟は何をやっているの?」

「工房職人の見習いだよ。妹は薬剤師の見習いだ」

「そうなんだ。何でお兄ちゃんは騎士になったの?」

「父が獅子頭軍団で幼い頃に見てね。自分も父みたいになりたいと思ったんだよ」

「獅子頭軍団に居たって事は体格が良かったんだね。それなのに似てないね」

痛い所を突くな。

とは言え何時もみたいに毒を吐かないだけマシか。

「まぁね。何で父に似てないんだ?と嘆いたけど仕方ないさ」

「確かにね。所で兄弟って歳は幾つ離れているの?」

「弟は今年で16歳になって妹は15歳だ」

「・・・ほぉう。お前の妹は15歳か」

イーグル軍曹が煙草---燃える女を吸いながら現れた。

「先に言っておきますが妹に手を出さないで下さいね」

この方なら妹に手を出しそうな勢いなので予め釘を刺した。

「恋愛は自由だぜ?」

「そうですが・・・間違っても軍曹と“義兄弟”になりたくはないんで」

「酷い言い方だな」

「そうかしら?イーグルパパを義弟に持ったなんて世間に知られたら恥よ」

ここでフィー嬢の毒舌が炸裂した。

しかし、的を射ているし助かる。

「こら、パパに向かってその口は何だ?」

「本当の事よ。昨日だって私の身体を色々と触ったくせに」

「・・・・・15歳以下の娘には手を出さないんじゃないんですか?」

「そうだ。だが、俺は父親だぞ。愛娘を抱いたりするのはいけない事か?」

「パパの場合手つきが厭らしいのよ」

「それはお前が将来美人確定だから今の内に俺色に染めようと思ってだな・・・・・・・」

「私はパパの色に染まらないわ。まぁ、妻になるのは良いけど、ね」

自分を養ってくれるなら、と現実を見てフィー嬢は言う。

その歳で将来を心配するとは・・・シビアだ。

「安心しろ。姫と同じく養うさ」

「それなら幾ら女を口説こうと良いわ。ちゃんと私を老後まで面倒みてくれるならね」

・・・・本当に12歳か?と問いたくなる台詞で眩暈さえ覚える。

「姫と言いお前と言い物分かりの良い女で助かるぜ」

「物分かりが良い?私の場合はあんたの絶えない性欲に半ば諦めているのよ」

短い付き合いでもう軍曹の性格を熟知したか・・・恐れ入る。

「そういうのを物分かりが良いと言うんだよ。いやいや俺は幸せ者だ。こんなに良い女が居るんだ」

豪快に笑いながら軍曹は言うが私は半ば呆れ返っている。

フィー嬢も同じ、だが・・・・・・・・・・・・・・

「軍曹、失礼します」

斥候に向かった者たちが戻って来て軍曹に敬礼をした。

「どうだった?」

「はっ。リカルドの陣地は何とか見つかりました。フォース・リーコンに関しては見つかりませんでしたが別の敵は見つけました」

「別の敵?」

「はい。義勇軍です」

「おいおい、あいつ等はあんな森林地帯で戦える装備は持ってないだろ?」

「えぇ。ですが・・・“時間稼ぎ”としては役立つと蛇に言われておりました」

「・・・・・・・・・」

私はこれを聞いて無言になる。

他国からわざわざ連れて来た相手を時間稼ぎの為に捨てるのか・・・・・・・

いや、この場合は時間稼ぎとしては申し分ない。

役に立たないなら使わせるまでだ。

しかし、それは人道的にどうなのだ?

疑問に思うが・・・これは戦争だ。

疑問なんて幾らでも石みたいに転がっている。

それが現実と割り切るしかない。

とは言え・・・やはり怒りを覚えずにはいられない。

それはまだ私が若造、だからだろうか・・・・・・?

「それで義勇軍は何と言っていた?」

「当たり前と言えばそうですが怒り心頭でした」

「それを蛇は武力で抑えたか?」

「まぁ、そんな所です。リカルド王子はこの事を知りません」

「義勇軍の残存兵力は?」

「戦象が5頭、騎馬が100騎です。後は居ません」

それだけで足止めしろと言われても無理な話だ。

「本当に時間稼ぎだな」

「敵ながら憐れです。彼等はただ死ぬだけにここへ来た様なものですよ」

「それが戦争ってもんだ。それに蛇ならそれ位は平気でやるさ」

自分が生き残る為なら・・・・・・・・・

「そうですね。リカルド王子の残存兵力についてはまだ分かりません。ですが、最早主力はヴィクター公爵の軍、だけかと思います」

「公爵だとどれ位の兵力を持てるんだ?」

「まぁ、辺境ですと外敵を迎え撃つので・・・・少なく見積もっても“師団”位はあるかと思います」

師団とは少佐達の居た世界の軍隊の部隊単位だ。

人数で表すなら1万から2万であり一正面からの作戦を遂行するだけの能力と装備を保有している。

辺境の貴族ともなれば外敵から国を護る為にもそれ位の兵力は持つべきだ。

今の所ヴィクター公爵の兵は少数しか出ていない・・・・つまりまだ殆ど兵力は残っている事を意味している。

戦い振りを見る限り真正面からぶつかり合えば獅子頭軍団も危ういだろう。

更に言えばヴィクター公爵の領土は草の国と言われるクリーズ皇国と近いから騎馬戦術を学び取ったと考えられる。

山で騎馬戦術がどんな物かは知らないが、地の利も合わせると余計に不利だ。

現在獅子頭軍団だけの兵力は補充をしていないから3万いた兵も今では2万5千に減っている。

だが、そこは聖騎士団残存兵力1500とシュヴァルツフントの2500に加えて魔術師50名で何となる筈だ。

更に言えば親衛騎士団1000人と私たち500人も居るしヘリもあるから五分と見るべきか・・・・蛇がこちらに裏切ると考えるならもっと増えるだろうがあの男を味方にする気は無い。

となればやはり五分と見るべきだ。

「なるほどな。向こうに地の利はあるから・・・苦しい戦いになるな。とは言えこれ以上の戦いを強いられた事もあるから何とでもなるか」

「これ以上の戦いをした事があるんですか?」

私が軍曹に訊ねると軍曹は頷いた。

「あぁ。3つの軍が居て俺たちはその内の1つに雇われたんだ。しかし、凄く弱くてな苦労したぜ。おまけに途中で俺たちを売ったから最終的には3つ全て相手にした」

「それでどうしたんですか?」

「国境を越えるまで戦い続けた。幸い司令官自らが3人まとまって来てくれたからそいつ等を殺して指揮系統を滅茶苦茶にした隙に逃げたんだ」

その時の状況に比べれば遥かに今の状況は軍曹にとって楽らしい。

「パパって意外と強いんだね」

フィー嬢がここで初めて私たちの話し合いに割って入って来た。

「意外と?これでも精鋭部隊出身だ」

「そうなの?てっきり刑務所とから出て来たとばかり思ってたわ」

「刑務所にはまだ入っていない。まぁ、牢屋には入れられた事はある」

敵に捕まった時らしいが無事に脱出できたと言う。

「もしも、居ればどんな眼に遭ったか分からないからお前等も気をつけろよ」

何だかそれが酷く怖い感じがして私たちは頷いた。