昔から花が好きかというと、嫌いではないけど特別思い入れもない、というかんじでした。
実家では、両親がガーデニングを好きでやっていたので、側にはあったといえばあったのですが、もっと刺激的な何かにばかり目がいっていた若者でした
結婚してロンドンに来て、専業主婦を始めたことで、側にあった自然の美しさにやっと気づいたように思います。
ロンドンは特に、花や緑を大切にしていますからね
その頃は、他人の庭の花がきれいだなあとか、たまにブーケをもらうと嬉しいなあという、ごく一般的な楽しみ方をしていました。
一度日本に帰国したあとは、家に花のある生活に憧れて、小さな鉢植えを窓際で育てたり、玄関に一輪花を飾ったり、やっぱり普通の楽しみ方をしてました。
その後、再度ロンドンに来ることに!
来て早々、友達が誘ってくれたお花のレッスンに参加したことが運命の分かれ道になるとは!笑
そのレッスン初日に先生がおっしゃいました。
お花はどこか遠くから摘み取られてここまで来たのだから大切に…
じーん
今思えば厚かましいのですが、日本から飛行機で12時間、家族や友達や職場を離れて、言葉も十分に通じない国に放り込まれた我が身とお花を重ね合わせたんでしょうね。
急に目の前のお花たちが愛おしく見えたのでした。
しかも先生、お花と話始めました…
(こう書くとかなり怪しい図を想像するかと思いますが、じっとお花を見つめていらっしゃるだけです。ご安心ください。)
そして、私たち生徒に的確なアドバイスをくださるのです!
この人、本物だ…
と直感的に思いました。
師匠と仰ぐならこの人しかいない!
と当時の私は思ったわけですね。
私の直感は今でも正しかったと思っています。
先生のわかりやすく的確なレッスン。
レッスンに集まる才能とセンスが溢れる魅力的な方々。
結果として、ロンドンで活躍される素晴らしい方々とお知り合いになることができ、花屋で働くチャンスも得ることができました。
先生には感謝しても感謝しきれません!
先生の一言のおかげで、今でもお花には敬意を払って扱っているつもりです。
お花はどこか遠くから摘み取られてここまで来たのだから…
実際にお店に入ってくる箱を見ると、オランダとかコロンビアとか、普通に書いてあります。
コロンビアって…
長旅だったでしょう
ギュウギュウに箱詰めされて、お水もろくに飲ませてもらえなくて、大変だったね…
と素直にいつも思います。
だからなるべく早く適切な水揚げをしてあげようと思っています。
そして、一番美しい姿で人目に触れて、幸せをたくさん振りまいてね!と願って、アレンジを作っています。
必ず訪れる終わりの時には、ありがとうの気持ちを忘れないよう心がけています。
まだまだ力不足ですが、お花をより美しく見せられるよう、日々精進したいと思います