「好きな特撮ヒーローは?」と聞かれれば即答で「仮面ライダー」と「ウルトラマン」と答えるが、それはつまり表のベストであり、僕の中で裏のベスト特撮ヒーローがある。
「快傑ズバット」がそれだ。
中学生の頃、近所のレンタルビデオで発見したのが初めての出会い。
当時はVHSビデオのみで、しかも全話リリースしていなかったと思う。
仮面ライダーV3で主人公、風見志郎を演じた宮内洋がズバット=私立探偵の早川健を演じている。
早川健は正義感が強く、人情に厚い、困っている人を見過ごせない…という絵に描いたような“正義の”お兄さん。そんな彼がズバットとなって戦う理由は「復讐」である。
ズバットの敵は、従来の特撮ヒーローのような巨大怪獣や、改造手術を受けた怪人ではなく、暴力団。ようはヤクザで、そのヤクザと彼等を取り仕切る悪の大組織・ダッカーなのである。
物語の設定では2月2日、早川と、早川の親友で科学者の飛鳥五郎は、飛鳥の妹・みどりが勤める幼稚園の送迎バスに地獄竜率いる「地獄組」の構成員によって爆弾が仕掛けられた事を知る。
早川と飛鳥は子供やみどりを避難させるが、バスを運転して子供達から遠ざけてた飛鳥は爆発に巻き込まれて重傷を負ってしまう。
更に飛鳥の入院している病院でも地獄組の手が迫り爆破が起きる。その中で飛鳥は何者かに銃撃を受け、早川の腕の中で息を引きとる。
早川は目の前で殺された親友の仇を取る為に、飛鳥五郎が宇宙開発用に作った特殊車両をズバッカーに、スーツをズバットスーツにして、旅先の街で出会うダッカー傘下の暴力団と戦い、人々を助けながら、飛鳥五郎殺しの真犯人を見付ける旅をするのだ。
過去の特撮ヒーローが昨今のバラエティー番組で様々なツッコミを受けるが、ズバットもその箇所は満載だが、それだけ“個性”が放たれてるという事だ。
まず主人公の早川健のファッション、キャラが1番個性的。
上下黒でレザーのウエスタン風。帽子も黒のテンガロンで、ギターを肩に担いで歩いている。敵の暴力団員やチンピラの前では常にキザな態度を崩さない。
武芸百般に通じ、毎回登場するダッカー傘下の暴力団のボスが雇う芸達者な用心棒(拳銃使い、居合の達人から釣り師やバーテンダーの殺し屋と様々。カオス)との曲芸合戦も負けない無敵な男なので、ズバットに変身しなくても強い。
たぶん最終回に出てきたダッカーの真のボス総統D以外には生身でも充分勝てたと思う。
そんな孤高の私立探偵・早川にも仲間がいる。警視庁の刑事、東条進吾がそれなのだが、早川健とは180°真逆の真面目を絵に描いた普通の人物だ(早川健がふざけている訳ではない)。だが、悪を憎む心は早川と同じ。
ズバット=早川と知っている唯一の人物であり、理解者でもある。だが刑事故、街を蹂躙する暴力団をシメあげて壊滅させるズバットを「行き過ぎだ」と咎める事もある。が、早川が町民や警察内部から(ダッカーの作戦で殺人などの疑いをかけられ)責められても、早川を信じる態度は絶対に崩さない。
陽の早川に対し、陰の東条…2人のバランスが強烈な個性を放つ「ズバット」という作品をまとめあげている。
早川同様、ズバットのもうひとつの個性はなんと言っても“悪の大組織”ダッカーと、その傘下の暴力団達。
そいつらは、次回に…



