$映画と音楽の宝石箱★ナルキッソスの鏡あるいは自惚れ鏡

さよなら子供たち / AU REVOIR LES ENFANTS
1987年・フランス/西ドイツ合作映画
監督・脚本:ルイ・マル 製作:ルイ・マル、マラン・カルミッツ 
撮影:レナート・ベルタ 音楽:フランツ・シューベルト、サン=サーンス 
出演:ガスパール・マネス、ラファエル・フェジト、フランソワ・ネグレ、フ
ィリップ=モリエ・ジェヌー、イレーヌ・ジャコブ

ぼくは、あの朝の涙を忘れない。
「その朝に起きたことこそ、自分の処女作の主題にすべきだった」
10年ぶりに母国へ帰還した名匠ルイ・マルが、その朝の記憶を、美しい映画にした。


映画チラシより映画

日本公開:1988年12月

関連メモメモ
「私はこの朝の出来事を死ぬまで忘れない。」
「私のキャリアの中で最も重要な作品。」 by ルイ・マル


★ルイ・マル自身の12歳の時の体験を描いた自伝的要素の強い作品。名作を幾つも残されましたが、この『さよなら子供たち』は後期の代表作であり大名作だと思います。ルイ・マル作品の日本公開作品はほぼ鑑賞しているのですが(80年代作品以前は後追いながら)、最も見返す作品はこの『さよなら子供たち』です。ジュリアンとボネの美しい少年たち、そして、「さよなら子供たち。」と云うジャン神父の姿が美し過ぎる映像と共に今も蘇ります。

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関連記事:『さよなら子供たち』監督ルイ・マル主演:美しい二人の少年(ガスパール・マネスとラファエル・フェジト)

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「私は孤立してはいない。平たく言えば、わが国にはアフリカ<系>アメリカ人もいればイタリア<系>アメリカ人もいる。今や彼らは大きな存在だし、それ以前にはアイルランド<系>アメリカ人等々の問題もあった。アメリカに来て、彼ら独自の民族的な伝統や特徴、そしてそれ故に醸し出される神秘といったものから切り離されてしまった、これらすべての人々。そのことに思いを馳せたとき、これら"<系>アメリカ人"こそが真実、アメリカ人であると(それはまさに私がなりたかったものだ)私には思えるようになった。彼らはほとんどバラバラに孤立し、一人一人特殊な存在であるが、それがアメリカ人であり、そしてそのことがこの国の - 他の何事にも勝る -存在価値だと思えるのだ。」

エリア・カザン 「<系>でつながれるアメリカ人」より本

★自らをアナトリア<系>アメリカ人だと気づいた時の事、「何故、映画界から足を洗ったのか?」という問いに答えるインタビューより抜粋させて頂きました。他にも考えさせられる問題を感じてならない...。ここでは、アメリカの反ユダヤ主義を取材し、素晴らしき俳優グレゴリー・ペックを主演に描き上げた名作『紳士協定』を。けれど、この名作が日本公開されたのは40年後、1987年になってからのことです。驚くべきことですが、やはり時代や歴史を考えさせられます。

紳士協定 / GENTLEMAN'S AGREEMENT
1947年・アメリカ映画 
監督:エリア・カザン 製作:ダリル・F・ザナック
原作:ローラ・Z・ホブソン 脚本:モス・ハート
撮影:アーサー・C・ミラー 音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア、ジョン・ガーフィールド、セレステ・ホルム、
アルバート・デッカー、ジェーン・ワイアット、アン・リヴェール、ディーン・ストックウェル
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「『つむじ風のシャンソン』は撮影が始まる前からずっと好んで口ずさんでいたのです。
非常に予算も少なく、また少ないスタッフで撮られましたので、録音技師もいませんでした。
『つむじ風のシャンソン』を録音したときだけ、臨時で録音技師を雇ったぐらいだったのです。」 
by ジャンヌ・モロー




★名曲「つむじ風(Le Tourbillon)」を歌うシーン音譜
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突然炎のごとく ジュールとジム / JULES ET JIM
1961年・フランス映画
監督:フランソワ・トリュフォー
原作:アンリ=ピエール・ロシェ
脚本:フランソワ・トリュフォー / ジャン・グリュオー
撮影:ラウール・クタール 音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャンヌ・モロー / オスカー・ウェルナー / アンリ・セール
マリー・デュボワ / サビーヌ・オードパン / ミシェル・シュボール

ヌーヴェル・ヴァーグの誕生から、今年でちょうど40年。
みずみずしい衝撃を与えた、映画の”新しい波”― 
その時代を象徴するかのような伝説の映画「突然炎のごとく」が、1999年、ふたたび押し寄せる。


映画チラシより映画

日本初公開:1964年 リバイバル上映:1999年

関連メモメモ
★ジャンヌ・モローという女優に捧げられた映画であると同時に、ジャンヌ・モローという女優にトリュフォー監督の女のイメージのすべてを結晶させた映画でもある。トリュフォーは30歳、ジャンヌ・モローは34歳であった。 by 山田宏一
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フリーダ・カーロ / FRIDA:NATURALEZA VITA
1984年・メキシコ映画
監督:ポール・ルデュク
脚本:ポール・ルデュク、ホセ・ホアキン・ブランコ
撮影:アンヘル・ゴデー、ホセ・ルイス・エスパルザ
出演:オフェリア・メディーナ、フワン・ホセ・グロラ、マックス・カーロフ

恋と芸術と革命に生きた女

映画チラシより映画

日本公開:1991年9月

関連メモメモ
★「フリーダの芸術は爆弾に結んだリボンである」 by アンドレ・ブルトン
音楽:ポポル・ヴー:POPOL VUH / ノスフェラトゥ:NOSFERATU
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク サウンドトラック


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Face 1
1. Mantra (6:14)
2. Morning Sun Rays (3:20)
3. Venus Principle (4:39)
4. Mantra II (5:22)

Face 2
1. On The Way (4:49)
2. Through Pains To Heaven II (3:42)
3. To A Little Way (3:37)
4. Zwiesprache Der Rohrfloete Mit Der Saengerin (3:42)
5. Die Nacht Derhimmel (4:08)
6. Der Ruf Der Rohifloete (3:21)

FRANCE EGG 900573 1978年

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Seite 1
1. Brueder Des Schattens - Soehne Des Lichts (17:10)
 
Seite 2
1. Hoere, Der Du Wagst (5:30)
2. Das Schloss Des Irrtums (5:20)
3. Die Umkehr (6:10)

GERMANY BRAIN/METRONOME 0060.167 1978年


ポポル・ヴー:POPOL VUH
●代表作● (サントラ)

キンスキー、我が最愛の敵 (1999)  
コブラ・ヴェルデ (1988)  
フィツカラルド (1982)  
ノスフェラトゥ (1978)  
ガラスの心 (1976)  
アギーレ / 神の怒り (1972)

※上記の作品はすべてヴェルナー・ヘルツォーク監督映画です。

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★ヴェルナー・ヘルツォーク監督の初めて観た映画は『アギーレ/神の怒り』で1983年。梅田の映画館に貼られていた大きなポスターは衝撃的で異様な力を発しており、引き込まれるかのように。そして、名優かつ怪優と謳われたクラウス・キンスキーにも圧倒された。そして、その映画と一体化していた音楽を担当していたのはポポル・ヴーだった。ジャーマン・ロックはタンジェリン・ドリームが好きで聴き始めていた頃のこと。

そして、ポポル・ヴーの音楽にも傾倒してゆき、1984年頃に発売されたキングレコードの日本盤『ノスフェラトゥ』を購入。フランスの音楽がますます好きになり輸入盤で注文をお願いして取り寄せて頂けるお店で、このフランス盤を見つけた。知識も無いくせに、既にジャケ違いなどが妙に気になるので購入した。当時のフランス盤(ヨーロッパ盤)のレコードはアメリカ盤に比べるとかなり高かったけれど。買ってから気が付いたことながら、収録内容も異なるのでした。日本盤として初めて発売された『ノスフェラトゥ』は『幻日の彼方へ』と題されたテイチク盤だと解説で知る。キング版のB面はかなりオリジナルのドイツ盤及びフランス盤とも楽曲が異なり、未発表曲などを含む内容で日本独自の企画盤的な内容。他にも幾種類かのポポル・ヴーの『ノスフェラトゥ』が存在するようです。

クラウス・キンスキーが1991年に死去され、ポポル・ヴーのリーダーであったフローリアン・フリッケ(フロリアン・フリッケ)も2001年に死去された。絶妙なトライアングルで描かれていたあの映像美と圧倒的な観る者を惹きつける映画の力!80年代の多感な時期にヘルツォーク映画に出合え、ポポル・ヴ―という至高のバンドの音楽に出合えたことは忘れえぬ心の宝石のように想えます。
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ノスフェラトゥ / NOSFERATU
1978年・ドイツ/フランス合作映画
監督・製作:ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク、F・W・ムルナウ
撮影:イェルク・シュミット=ライトヴァイン
音楽:ポポル・ヴー
出演:クラウス・キンスキー、イザベル・アジャーニ、ブルーノ・ガンツ、ローランド・トパー、ワルター・ラーデンガスト

愛されないことほど、苦痛なものはない。
ニュージャーマン・シネマの夜明けを告げた
ヴェルナー・ヘルツォーク監督のラブ・ファンタジー!


映画チラシより映画

日本公開:1985年12月

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バベットの晩餐会 / BABETTES GASTEBUD
1987年・デンマーク映画
監督・脚本:ガブリエル・アクセル 
原作:カレン・ブリクセン(アイザック・ディネーセン) 
撮影:ヘニング・クリスチャンセン 音楽:ペア・ヌアゴー 
出演:ステファーヌ・オードラン、ビルギッテ・フェダースピール、ボディル・キュア、ビビ・アンデルション、ヤール・クーレ

天使の味を召しあがれ
食事を恋愛にかえることの出来る映画です。


映画チラシより映画

日本公開:1989年2月

関連記事:『バベットの晩餐会』 老姉妹マーチーネ(ビルギッテ・フェダースピール)とフィリパ(ボディル・キュア)
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最後の誘惑 / THE LAST TEMPTATION OF CHRIST
1988年・アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ 製作:バーバラ・デ・フィーナ
原作:ニコス・カザンザキス 脚本:ポール・シュレイダー
撮影:ミヒャエル・バルハウス 音楽:ピーター・ガブリエル
出演:ウィレム・デフォー、ハーヴェイ・カイテル、ヴァーナ・ブルーム、バーバラ・ハーシー、ハリー・ディーン・スタントン、デヴィッド・ボウイ、アンドレ・グレゴリー、ジュリエット・ケイトン、ロバーツ・ブロッサム、アーヴィン・カーシュナー、ネヘミア・パーソフ、バリー・ミラー、ヴィクター・アルゴ、 ゲイリー・バサラバ、ポール・ハーマン

今世紀最大の問題作!!
あまりにも官能的、あまりにも衝撃的・・・
全世界を激しい論争の渦に巻き込み大ヒット!


映画チラシより映画

日本公開:1989年1月

★友人と観に行ったものです。ウィレム・デフォーも良いのですが、京都の某映画館で大々的に予告の広告が打ち出されていました。そこには主演クラスでデヴィッド・ボウイの名が記されていたもので、ボウイの出演映画というのでわくわくして鑑賞しました。3時間近い長い映画でした。ピーター・ガブリエルも好きなので音楽も素晴らしかったと思いますが、ボウイがいつ登場するのかと・・・出演シーンは僅かで寂しかったです。一緒に行った友人の一人はたいそう感動していた、あの様子を想い出すと愉しいです。長い映画はヴィスコンティ映画やタルコフスキー映画で免疫もあり、長いと想ったこともなく感動してきたのですが、この映画の初見はボウイ目当てでしたので長く感じました。まだ若かったので内容も理解し難く。この機会に観直してみたいとも想います。
chouchouのブログ

霧の中の風景 / TOPIO STIN OMICHLI
  1988年・ギリシャ/フランス合作映画
監督・原案:テオ・アンゲロプロス
脚本:テオ・アンゲロプロス、トニーノ・グエッラ、タナシス・ヴァルニティノス
撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス 音楽:エレニ・カラインドロウ
出演:タニア・パライオログウ、ミカリス・ゼーケ、ストラトス・ジョルジョグロウ、エヴァ・コタマニドゥ、ヴァシリス・コロヴォス

12才の少女と5才の弟が
国境を知らない旅に出発した
父を探し求めて
アテネから ドイツへ
風景をつき進むアンゲロプロスの
痛切に美しい傑作!


映画チラシより映画

日本公開:1990年3月

関連記事:『霧の中の風景』の少女ヴーラ(タニア・パライオログウ)とアレクサンドロス少年(ミカリス・ゼーケ)♪