付き合いたての時は、あつしが調理師を目指す学校に行っていたこともあり、私の学校に持っていくお弁当を作ってくれたり、寝坊して電車を逃し遅刻しがちな私を駅まで車で送り届けてくれたり、彼氏だけどお兄ちゃんのようなあつしが大好きでした。
礼儀もしっかりなっていて、私だけでなく私の家族にも気を使える人でした。
付き合いたての時だけは。
まず違和感を感じたのは、初めてあつしの家にお邪魔した時。
あつしのお母さんがいらっしゃったのでもちろん私は彼女ということを置いておいたとしても家にお邪魔するので挨拶は当たり前にする気でした。
すると玄関に上がる直前にあつしが
「ママいるからちゃんと挨拶してね?わかった?」とまるで私が普段挨拶ができない奴かの様に声をかけてきました。
私は少しイラッとして、当たり前でしょ。と返し普通にお母さんにお邪魔しますと挨拶をして少し会話をしました。
この時はあつしはすごく私のことを子供に見ていたから当たり前のことをわざわざゆって来たのかな?と思っていました。
そんなのは大間違い。 笑
数ヶ月経つと私の実家に来る時にお邪魔しますは言わなくなりました。
靴は揃えずバラバラのまま脱ぎ散らかすようになりました。
二階にある私の部屋に行く前にリビングによって親に挨拶していたのに、なんのきっかけもなく無言で玄関を上がりそのまま私の部屋へ直行するようになりました。
そう。あつしは元々礼儀がなにもできなくて、私と家族に好かれるために「頑張って」やっていただけでした。
途中でなにかが切れてしまったんでしょうね。
全くやらなくなったのです。
あつしの本性はそれだけじゃ止まりませんでした。
少しあつしの機嫌が悪かった日がありました。
私は余計なことを言うとめんどくさいと思い放っておいたらボソボソと私に文句を言い始めました。
俺は駅まで送ってあげたり、お弁当を作ってあげたり、いろいろしてあげてるのに俺にはなにもしてくれないよね。と。
あつしはすごく見返りを求めてくる男だったのです。
それも凄く粘着質で、いつ俺がなにをしてあげたとか、いつ俺がどこまで送って行って食事でいくら出したとか、お弁当の具材は何と何と何をつかっていくらかかったとかすごく細かく求めてきました。
ただ私もやってもらってることには変わりないからと高校生ながらできることは返していました。
私があつしに冷めたのはあつしの誕生日前のこと。
その時私はもう社会人になっていて、私の誕生日は5月、あつしの誕生日は8月だったので、私は祝ってもらった後でした。
社会人になってすこしお金に余裕が出てきていた時でもあったし、私の誕生日にはあつしは専門学生にしてはすごく頑張ってくれてずっと欲しかった1万円程の財布を買ってくれて、ケーキと私の大好きな海鮮丼を作ってくれてお祝いしてくれたので、あつしの誕生日はとても気合いが入っていました。
しかし誕生日の2週間前。
あつしが口にした言葉で一気にやる気が冷めました。
「俺がちょすの誕生日につかったお金全部まとめて計算してきた!」((レシートのように金額が1円単位で書かれたメモを渡される))
「俺学生でバイトの給料だけでちょすに約2万5000円使ってるから、俺が今欲しい髭剃りが4万円なんだけどちょす社会人だしこれくれれば俺ケーキ手作りでもいいから(^^)」
はい??????????
ツッコミどころがありすぎてその場で反論が出来ず、一旦家に持ち帰って親に説明しながら頭を整理しました。
結論、「なにいってんのこいつ」
マジで冷めちゃって誕生日も祝いたくないレベルでした。
その私の誕生日に使ったお金メモには1円単位でお金が書かれてることがまずドン引きでしたが、買い物に行った距離とそのガソリン代まで入っていてもうなんか鳥肌レベルでした。
結局、あつしの誕生日は頑張る予定だったので少しお金を貯めていたのもあり、もう来年は祝わないと誓ってお望み通りの髭剃りを購入しケーキも買ってとりあえずお祝いしました。
あつしはケーキなんかより望み通りのプレゼントが嬉しかったらしくケーキは私に食べさせてずっと髭剃りを触っていました。