まだ幼稚園か小学生のころ

おかんが未来のあさみへ葉書を書いた


その葉書はあさみが二十歳になったときに届いた



『あさみちゃん、看護婦さんになるために頑張ってるかな』


小さい頃から看護師になることが夢だったみたい


気がついたら看護師になるために頑張っていた


昔から図書室に行っては救急処置の本とか看護の本を読んでいたのを覚えている

おかんが看護師だったからかな


毎日その背中を見ていた


日勤が終わって夕食作って仮眠してまたその夜から深夜勤


あさみはおかんを起こして玄関でいってらっしゃいを言うのが日課だった


毎日大変だなぁとは思いながらもそれが日常だったから本当の大変さなんて小さいあさみにはわからなかった



今看護師として働いて約8年が経とうとしている


おかんが歩んできた道を同じように進んでいる


もちろん大変なことはたっくさんある


看護師になりたてのころは辛くていつも泣いていた


辞めようと思ったこともある


でも辞めないでここにいる

理想と現実って違うけど看護師になって本当に良かったと思う


同じ道を目指す仲間ができて


一緒に泣いたり笑ったりした時間は忘れない


仕事しているときはこんな風に振り返ることなんてほとんどしなかったけど


今は色々と考える時間ができた


良いことだ







そして…
まだ夢がある



それはいずれ叶うのか叶わないのか


わかりません


未来なんて誰にもわかりません


でも希望は捨てたくないな


うん、捨てたくない