2018年10月19日(金)~ ダナン~二ンビン
♡チャンアンのボートツアーにて。
今日は、ここダナンから陸のハロン湾と言われる二ンビンに向かいます。到着予定は翌日未明の4:00で、寝台バスを使い、料金は2,500円です。
♡寝台バス車内。普通のリクライニングシートよりも快適に過ごせるように思う。
バスは、まだ暗い二ンビン駅前に着きました。
さて、夜が明けるまでどうやって過ごそうかと思いましたが、降りた目の前にホテルがありましたので中に入ります。
最初に案内されたのはきれいな個室でしたが、宿泊料金を聞くと私の想定よりも高かったので迷います。旅行は始まったばかりで出来るだけ節約したいものです。そこで念のためにドミトリーはないか、と訊ねますとあるようなので連れて行ってもらいます。
一緒にバスから降りた他のパッカー達は呼んでもらったタクシーに相乗りして別の宿へ向かったようです。
♡二ンビンセントラルホテルのドミトリー。一泊550円。清潔で大きな窓もあって開放的。
ドミトリーを一人で占有した私は横になって体を休めます。そして、しばらく経ってから目を覚ますと大雨になっていました。
ぼんやり外を眺めていると帽子をバスに忘れてしまった事に気付きました。バスから降りる時には忘れ物がないか、しっかり寝台を見返したつもりでしたが。どうやら前の座席の背もたれの下にある、自分の足を入れる奥まったスペースに帽子が入っていて気付かなかったようです。
外はかなりの雨なので外出するのも億劫でしたが、ベトナムの暑さを考えると帽子はあった方が良さそうなので、バックの奥から折り畳み傘を出して出掛ける事にしました。
宿から1kmほど歩いた所に旧二ンビン駅があり、その駅前がツーリストエリアになっていてホステルや安宿、それに安くて美味しそうな食堂などが集まっていました。
そこから、さらに二ンビンの街中をひと通り歩いてから宿に戻ります。帽子も買えましたが1,300円のとんだ出費です。(けっこう高級そうなスポーツ用品店で買ってしまった)
その晩、早めにベッドに入り横になっていますと一人の宿泊者がドミトリーに入って来ました。白人女性です。何だか途端に室内に緊張が走ります。(私の思い過ごしか)
女性にしてみたら、この西も東も分からぬ異国の地で、得体の知れぬ、どこの馬の骨とも分からぬ東洋人の男と二人、同じ部屋で共に夜を過ごすのです。(私は特段、怪しげな人相・風体では無いと自分では思うが)
女性は、私の素性を確かめるべく?挨拶をして来ます。そして、どこの国から?と聞いて来ますので日本から、と答えますと、途端に女性が安堵?の表情を浮かべ、ナイス!と言うのでした。どういう意味でしょう。日本人が信用されているのでしょうか。ちなみに彼女はフランス人だそうです。
そして、二人、静かに寝入っていますとその未明、突然、ドヤドヤ・ガヤガヤと何人ものパッカー達がドミトリーに入って来ました。このホテルのちょうど前が寝台バスの停留所なので、私の乗って来た寝台バスと同じ便が着いたのでしょう。これですっかり目が覚まされてしまうのでした。
外が明るくなったのでカーテンをめくると、雨も止んで青空が見えています。
今日はまず、昨日行った旧二ンビン駅前で宿を探し、それからオートバイを借りて二ンビン郊外を巡ります。
♡旧二ンビン駅前のホテル「ファミリーホーム」。個室で一泊900円。
旧二ンビン駅前で宿を決め、その隣の店でオートバイを借りて出発です。(バイクレンタル料1日500円)
まず、1705年創建のビックドン寺へと向かいます。二ンビンの郊外に出ますとすぐにカルスト地形が現れ、さらに進んで行きますと谷合いの道となり、その先にビックドン寺の門前横丁がありました。
♡辺り一面、こんな地形。
寺への入口のすぐ前にオートバイの駐車場らしきものがありました。
おばあさんが手招きして誘導しますので中に入り、オートバイを停めてビックドン寺観光です。1時間ほどして、さあ、次へ行こうかとここへ戻り、駐車場料金をおばあに聞くと2万ドンと言いましたが、私はこの前に、おばあが別の旅行者から文句を言われ、しぶしぶ1万ドンを徴収したのを見ていたので私も文句を言うと1万ドン(50円)になりました。
そして、出発の準備をしていますと、年配の白人夫婦が戻って来て、おばあにいくらか聞きました。すると、このクソおばあは、何と20万ドンと、しゃあしゃあと言います。私は唖然としましたが、この白人夫婦はそのままの言い値でお金を払ってしまいました。確かにベトナムの通貨は桁が大きく、自国通貨に換算し難いのですが・・・。
おばあは20万ドンを当たり前のように受け取り、私と目が合うとペロッと舌を出すのでした。何とたくましいと言うか、厚かましいと言うか・・・。
♡ビックドン寺入口。この直前に件の駐車場がある。皆さんもご用心を。寺そのものは趣のある古刹で裏山からの眺めは風情もありましたが、強欲ばあさんのおかげでばあさんの印象しか残っていない。
私は次に手漕ぎボートに乗ってカルスト地形を巡るべく、チャンアンに向かいます。
ここ二ンビンには、もう一か所、タムコックというボート巡りのベースがありますが、こちらの方は稲穂が黄金色に色付く3,6月頃が特に美しいようです。(二期作)
大勢の観光客で賑わうチャンアンに着き、オートバイを停めてボート乗り場の発券所に向かいます。
コースはいろいろあって、その中から選べるようになっています。
私はその中のコースの、映画「キングコング 髑髏島の巨神」のセット見学が含まれるものに興味を引かれました。ここチャンアンでこの映画の撮影が行われたのです。
でも、迷った末に最もオーソドックスなAコースを選びました。料金は全コース同一の千円で、見学時間は約3時間です。
Aコースを選びはしましたが、やはり映画セットも含まれるコースに未練も残り、映画に出て来た巨大な水門や未開人集落のセットを実際にこの目で見たかったと悔います。ハリウッド映画のセットとは、どんなものかと。
後日、ここチャンアンを紹介するテレビ番組の中でセットの様子も紹介されていましたが、見ていると現地の人手作りの集落に、ついでに未開人に扮してのなんちゃって原始人村風でした。
これは、以前、中国の桂林川下り後に見た水郷地帯の原始人村と同じではなかったでしょうか。(ブログ名 中国 桂林の漓江下りで見たものは)
実際に見ていないので何とも言えませんが、世界遺産の中にいつまでも映画セットを残せないようには思いますが。原始人村は地元の人の経済的支援という意味があるかも知れません。
私は係員の誘導で(この誘導はぼられる心配は無し)、ボートに乗り込みます。同乗者は、フランスからの男女とボートを漕ぐおばちゃんです。
♡ボートは手漕ぎですのでエンジン音もせず、ちゃぷちゃぷという音だけが聞こえ、静かにゆっくり進んで行くので長閑で風流なのだが、この山影からいきなり、キングコングが巨大ダコを食いちぎりながら水を蹴立てて現れそう。この旅行の直前、「キングコング 髑髏島の巨神」を見たデジャブである。
♡こちらのボートは大人数なので男性の漕ぎ手なのか。
水中を覗いて見ますと、水草がゆらゆらと生い茂り、その間を大小様々な魚がその間を泳いでいます。ここは水郷あるいは湖沼といった趣で水の流れは感じません。
ボートは水辺の寺院に寄った後、洞窟へと入って行きます。洞窟内はかなり低く、頭を下げないと天井から垂れ下がった鍾乳石に頭をぶつけてしまいますが、注意力散漫な私は、つい、撮影に気を取られ、頭をぶつけそうになります。後ろでオールを漕ぐおばちゃんがその都度、後ろから手を伸ばして私の頭を押さえつけて守ってくれます。このおばちゃんの気転がなければ、洞窟から出て来てみれば、私は哀れ、頭がジャガイモ君状態、もしくは他船の観光客もびっくりの顔面を朱に染めた血だるま状態となっていたやも知れません。
♡分かり難いが電線の上に蛇がおる~。これがポトッと頭の上に落ちて来たらどうしよう。ちなみに、おばちゃんにこの蛇は毒を持っているか聞いてみたが、おばちゃんは静かに微笑んで、うなずいたような。(私の質問も、ポイズン?と聞いただけなので、おばちゃんが質問を理解してくれたか疑問。こうやって画像で見ると結構、毒々しい模様をしているので毒蛇のような・・・)
こうして、水路巡りをたっぷり堪能して私達の乗ったボートは帰路に着きました。漕ぎ手はおばちゃんに加え、私の前に座っているフランス人男女もボート備え付けのオールを手に持ち漕いでいます。
この二人ばかりに漕がしても悪いので、私も女性からオールを譲り受け、男性と一緒に漕ぎ進めます。女性は私にメルシーと礼を言いますが、何の何の、私の方こそ、この二人に水路巡りの大半を漕がせてしまいました。
こうして、オートバイを走らせ、帰路についていますと途中、道端に奇妙なものを見つけました。最初はペットでも売っているのかと思いましたが、どうやら何かの動物の丸焼きのようです。
♡これはヤギでしょうか。リアルな焼き方です。目が何かを訴えかけてくるようです。一頭丸ごと買っていくのでしょうか。それとも切り分けてくれるのでしょうか。この辺りはこれが名物なのか、道路沿いにズラッと丸焼きヤギさん?が並んでいました。これが幾らなのか聞くのを忘れてしまいました。
明日はハノイに向けて、さらにベトナムを北上します。