酒をぐびぐびいった天然バカのバブ。

案の定つぶれた。

よく見たら日本酒一升が空きそうだった。

皆で飲んでたが、ほとんどバブが飲んだ。






【#048 祭りのあと part.2】







バブは圭太の膝枕でグーグーねる。

俺らは関係無しに武勇伝の話にうつる

『でさぁ、右フック避けてさカウンターでバーン殴ったんだわ~』

ヤンキー早川のウソ武勇伝。


みんなソレに飽きてきた頃

バブに異変が。




オーロロロロローー




圭太の膝枕にリバース。

最悪です。


圭太と部屋のカーペットはゲロと酒の臭いでエラいこっちゃ。

窓を開け、もらいゲロを防ぐ。



ふと時計をみれば、夜9時。



さすがにヤバい。

祭りから親も帰ってくる。

とにかくこのつぶれたバブを家に帰さねば。



皆で180cmの大きなバブを担ぎ上げ

一旦近くの土手まで運ぶ。

力の抜けた人間は本当に重い。

そんなことを初めて知った。




バブの家まで約1キロ。

幸い、ド田舎の川沿い

人気のない土手を歩けば

おそらく誰にも見つかることは無いだろう。




しかし重い。




皆のない知恵を絞り、ひねり出した答えは

その辺の看板を担架がわりにする。だった。

よくみかける、工事中すみません的な看板だ。



これが意外と功を奏して距離を稼ぐ。

が、やっぱり重い。






途中看板が壊れ、バブ落下。



“いたいよぉぅ‥いたいよぉぅ‥”



うるせいこのデクノボウ。









また距離を稼ぐ方法を皆で考える。





そうだ。

何人かが手で押しているチャリに乗っけてみれば良いんだ!


名案のごとく誰かが叫んだ。




俺は内心『それは、イカンデスヨ。。』

とおもっていたが多数決で決まり

自転車のサドルに力の抜けきったバブを乗せる。





皆、距離を少しでも稼ぎたいものだから

ここぞとばかりに腕まくりをして気合いを入れる。


皆で押すぞ!!

せぇ~~~のぉ~~~~!!









ガラガラガッシャン!!!






案の定、勢いのついた自転車は

力の抜けたバブとともに転倒した。






バブは擦りむいた。








家に近づいた。しかし、この酔っぱらったままのバブを

そのまま帰して良いのだろうか。


なんとかして酔いは冷めないだろうかと

また皆で無い知恵を絞る。






出た。




川の水をぶっかけて、酔いと目を覚まさせればいい。







近くに捨ててあった発泡スチロールの箱に水を汲み

一気にぶっかける。

それを2、3度繰り返す。

10月後半おそらく気温は10℃前後の夜。

バブは震えだした。




“さむいよぉぅ‥さむいよぉぅ‥”




不正解だった。





そしてバブの家のすぐそばまできた。




どうしようと皆で悩んでいたとき

バブがムクっ!と起きて

“大丈夫、大丈夫”

とフツウに歩いて玄関に入っていった。



みんな呆気にとられた瞬間だった。



気の抜けた結末と疲労も重なり

秋の満天の星空の下

オトナには成りきれなかった中学生達は

それぞれ無言で家路についた。









翌朝、



最悪なことに朝からマラソン大会だった。

皆昨日の疲れで思うように走れなかった。



そしてバブは、

初めての二日酔いで信じられない遅さと

とんでもないオッサンの様な臭いを振りまいて走ったことは

言うまでもない。
♪ピーヒャラ ピーヒャラ

ドンドン ドドン テンツクツン♪

先人達から受け継がれる日本のリズムと旋律。

『日本人はかっこいい!』

祭りの時は毎回気付かされるんだ。







【#047 祭りのあと part.1】








地元の大きな祭りの日がやってきた。

この日は学校も早く終わりみんな楽しそう。

オレも、にやけっぱなしでワクワクだ。




放課後。



いつもの仲間といつものコンビニで待ち合わせ。

自慢のチャリで続々集結。

気付けば10人集まった。


さあ、行くか!と皆が走り出そうとした時

1番大人びたヤンキーの早川が低い声で

『ダルくねえ~?誰かの家でまったりしようぜ~』




絶句。




みんな1年間待ちわびてウズウズしていたのに。。。



ただその大人びた言葉になめられちゃいけないと

『そうだなぁ~だりいな。酒でも飲もうぜ』



中一のくせに!!バカ~~ん!!






結局、家族が遅くまで祭りに行っていないとわかっていた

オレの家で飲み会決定。


まずは酒の調達。

皆の金を集めたら1万はあった。

近所の酒屋は避けて隣町の酒屋に行く。

一人でいくのがイイと判断。

ジャンケンで負けた圭太が行く。

酒屋のオヤジには父親に頼まれたテイで

日本酒の一升瓶を買う。

大成功だ。

なんなら買い物エラいね~

くらい言われたらしい。



あとはつまみだ。

お菓子をガッツリ買う。

プラスmoreジュースも☆




夕方過ぎ、俺の家の前はチャリで埋め尽くされた。

10人が6畳に入るのは大変だったがそこはまだ中学生。

ギッシリ詰めれば入れる。




宴の始まりだ!!




“かんぱぁ~~~~イ”


恐る恐る日本酒に手を付ける。が、

くせぇ。。

なめてみる。が、

まじぃ。。



しかし流石はヤンキー早川。グビグビいく。

“んめぇ~~~☆”

その言葉を信じて飲む。が、

やっぱりマズい。。



このままじゃなめられる。

皆やけくそになり飲んだ。

目がマワッッタ。





夜7時。

テレビからブルーハーツが流れる。

甲本ヒロトが狂った様に飛び跳ねて叫ぶ。

オレらもマネをする。

頭を振り10人は唄い、笑った。



さあ、ここからが地獄のはじまり。。
星を見るのが好きだ。








百年前の人、千年前の人、一万年前の人、百万年前の人、








色んな人が見た星と、ボクらが今見る星と、ほとんど変わりがない。








それが嬉しい。




















【#046 星降る夜】


























中学に入ってから中間、期末テストと言うくだらない儀式が始まり、








憂鬱になりつつも、ちょっとだけオトナになった気分。








試験前は決まって『あぁぁぁ~~~ダリぃ~なぁ~』とぼやく。








もちろん勉強なんてせず、まずは環境づくりと








机や引き出しの整理整頓に精を出す。








更には普段片付けない部屋の掃除へと労力を費やす。








気付けば時計の針は午前1時。











綺麗になった部屋を見て窓を開け、覚え立てのタバコを吹かす。











『んまぁ~~い』 冬の夜空に煙が消える。














本当のところはただ臭くて、苦いだけだったけど。




















翌日も試験勉強といいつつ夜遅くまでCDやビデオの整理整頓。








しかし今日は違うんだ。








圭太と午前1時に橋で待ち合わせしてるんだ。








気分転換とばかりにこっそり外を出歩く。








とはいいつつ、ど田舎の地元は真っ暗な田んぼと川だけ。








悪いことなんかたいして出来やしない。











ただ夜中に外でタバコを吹かしたかった。

















しーんと静まった家の玄関から出ると音でバレちまうので








2階の俺の部屋の窓から靴を履き、








屋根をつたい電信柱で下まで降りる。








このスリルがたまんねぇんだ。








夜に開放された俺は待ち合わせの橋まで走る!











すでに圭太は橋に居た。








二人で真っ暗な土手を歩きタバコに火をつけた。








なんて“オトナ”なんだ。











土手に寝そべり、見上げれば満天の星達が瞬いていた。








流れ星も幾つか見た。








でも、願い事なんか言える訳ねぇ。一瞬だもの。








圭太と俺はそんなことを言いながら夜を楽しんでいた。











しかし、次の瞬間会話は途切れた。














二人の見つめる先には1台の車が不自然な場所で止まっていた。














そう、結果から言うと、Carセッ○スです。








少し遠かったから目が慣れてやっとわかった。








暗いから近づいてみようと、忍び足。














ゆっくり近づくとだんだん車が揺れているのがわかる。








うっすら鳴き声みたいなのも聴こえてくる。








俺達は唾を飲む。











いよいよ車の後ろまで来た。








勇気を振り絞り、窓をのぞく。




















女の顔は見えた。ピグモンみたいなブサイな女だった。








月明かりに照らされたピグモンは目を閉じて喘いでいる。

















だが、次の瞬間








俺とピグモンは目が合った。











『ぎゃ~~~~~~!!お化けぇ~~~~~~!!』











ピグモンは鳴いた。











俺はビビりすぎて立ち尽くした。








圭太は田んぼの用水路に隠れている。














男は悲鳴を聞いて恐くなったのか、








急いで運転席に移りエンジンをかけ急発進。








俺の足はタイヤに踏まれた。




















その後、その場所では夜中2時頃、子供の幽霊が出ると噂になった。























追記。





足の指の爪を切る度に、今でもあの日のことを思い出す。






ウキウキの当日、バスに乗り込み

ビンゴゲームで盛り上がる。

しかし、数分後バスはゲロパーティへと変貌。

臭っさい臭っさい車内は目的地にようやく着いた。






【#045 夢の林間学校 (山登り編)】






ゲロの匂いから解放された俺達は宿泊施設へ。

そしてお弁当を割り当てられ、いざ山登りへ。


標高はそんなに高くない山で

爺さん婆さんが登山で使う様な緩い山。


最初は登る事自体興味はなかったが

クラスで人気ナンバーワンのかおりちゃんと

一緒に登れば絶対楽しいっ☆!

そう思いかおりちゃんと話しながら登山。

かおりちゃんの笑顔が今日も眩しい。

超楽しい!!!


頂上に着きお弁当タイム。

メチャクチャうまい!!

空気がオイシいと飯もウマい事を知る。


そして昼休みの自由時間。

俺はかおりちゃんと目がバチコ~ンと合ってしまい

楽しい話でもしながら昼休みを過ごそうと思ったが

男友達は放っておかない。

結局、かおりちゃんと話せず。。バイバイ。。


そして遊んでると1組から順に下山しはじめる。

俺らの担任も『そろそろ行きますよ~』と生徒を呼ぶ

その時、生粋の馬鹿=バブが

ウンコしたいからトイレ付き合ってと呟く。

皆『嫌だ』と言い下山を始める。

バブは泣きそうだったので仕方なく俺だけ

公衆トイレまで付き合った。




……『おい、バブ!そろそろ行くぞ~』

バブはちょっと待って!となかなか出てこない。


皆下山しちゃってるよ。早くしろよ馬鹿。

と思いつつ、待つ事数分バブはすっきりした顔で出て来た。


軽くケリを入れ、急ぐぞとさっきまで居た場所へ向かうと

見事に誰もいない。あ~置いてかれた。



俺もバブも割とマイペースだったので

まっいいっかと、適当に歩いて帰ろうとしたが

帰り道の途中一つだけ分かれ道があった。


俺らは記憶を辿りどっちだったか思い出す。

よし、こっちだ!

実は俺はかおりちゃんとの話に夢中で

道なんか覚えていない。だから当てずっぽ。


数分歩いてもなかなかクラスメイトに追い付かない。


完全に道を逸れていたのです。


バブは泣き出しそうにごめんなさい、ごめんなさいと

俺に言う。そんな事言われたってどうしようもない。


そして数分後、途方に暮れながら歩いていると

俺達を呼ぶ声が聞こえる。

先生達だ。


俺達は安堵してもう涙がこぼれそうだった。

先生~~~!と泣きつこうと思ったが

男子教師に思いっきり頭をぶん殴られた。

そりゃそうだ。


その後は皆楽しいゲーム大会などで盛り上がったそうだが

俺とバブはみっちり先生の部屋で説教された。


でもバブ、うんちしたかったんだよな?

しょうがないよ。気にすんな
ウキウキの当日、バスに乗り込んだ。

俺と相棒圭太の席は1番後ろ。

一つ前の席には仲良しみっくんもいる。

皆笑って騒いでる。楽しいな~

さあ出発だ。





【#044 夢の林間学校 (バス編)】





バスは隣の県のI温泉からほど近いH山まで行く。

宿泊施設が豊富にあるらしくキャンプ地としても有名だ。

何時間か移動と聞いていた。


最初は先生の堅い話。

いらん注意事項がたっぷり。

その後は待ってましたとビンゴゲーム。


景品は先生が用意。

何があるかは言わない。


さあレッツビンゴ。


幾つか数字を読み上げたが、俺のカードはリーチすらかからない。

次の番号を先生が読み上げた瞬間

隣のゴリゴリマッスル女子バスケット部員が

『はぁ~いはぁ~いビンゴびんご~』

とブサイクな雄叫びを上げる。


景品は沢田知可子の『会いたい』のシングルCD。

先生シブいよ。


その後も次々とビンゴ当選者が出て

トランプ、ぶーぶークッション、ノート、シャーペン...

と景品が配られる。


そして最後の一つになった。


俺はやっとリーチ。


番号が読み上げられる。



「◯○番」



あっ、ビンゴだ!!


俺はビンゴビンゴビンゴと叫ぶが

同時にビンゴになった奴が四、五人いて

結局景品争奪じゃんけんになる。



ぜってぇ負けねぇ。



腕を交互に絡ませ手と手の隙間を覗く。

どういう意味があるかわからんが皆

じゃんけんをする前によくこの必勝法をやっていた。



じゃんけん、グー!!!




俺が勝った。


やった~~~!!!

勝利の雄叫びを上げながら喜び

バスの1番後ろから1番前の先生の所へ駆けつけた。

その時、、、



ビシャビシャと水がこぼれる様な音がバスの中に響いた。




そう。

臭っせぇ~の。


定番のゲロ。




バスの真ん中くらいに座っていたおとなしいキャラの男の子

が先生ごめんなさいとゲロを吐きまくっていた。


ビンゴでずっと数字を睨んでいたせいで酔ったそうだ。


皆、避難して先生はタオルとティッシュで床を拭く。


俺は静かに1番後ろの席に戻った。



ゲロ掃除も終わって吐いてしまった彼から謝罪の言葉があり

気にしないで~と臭っさいバスの中

皆もらいゲロとの戦いが始まりました。


内心では序盤からこんなトリッキーな事すんなよな。。







もらいゲロとの戦いも終わり、だいぶ走った所で

すっかり忘れてたビンゴの景品を思い出す。



先生に聞くと申し訳なさそうに

『ごめんね。もう無いの』


うっそ~~~~!!!!!


残念だった。



なぜ無かったのか。

それはもう使っちゃったからだ。




俺の景品はゲロを拭いてたディズニーのタオルだったそうだ。



~(山登り編)へ続く~







夢にまで見た女の子とお泊まり会

それが林間学校だった。

※今回は珍しく短編ではありません




【#043 夢の林間学校 (前日編)】




中学へ入学してだいぶ仲間も増え

楽しくなってきた頃、林間学校はやってきた。

とにかくワクワクで楽しみなんだ。

行く前も楽しい。


林間学校前日、

学級会で班わけやバスの席順を決める。

これがまた楽しい。

大体仲良しグループできれいに分かれるが、

何人か波に乗り遅れはみ出てしまう奴も居いる。

だがそこは上手く全体がフォロー。

ウチのクラスの自慢はハブが居いことなんだ。


そう。何が楽しいって

まずは女子とのバスの距離。

とにかく俺らのグループは1番後ろの席が欲しいので

男子同士サミットを開き、がっちり確保。

だが女子が気になる。

(バス)
□□ ■■
□□ ■■
□□ ■■
□□ ■■

こんな感じで男女にわかれる訳だが

この通り道を挟んだ隣の女子が気になる。

どうか、かわいいあの子達が来ます様に。


席順が決まった。

隣は中途半端な女子バスケ部の女達。

ノリは良いが決してかわいくない。

ちょっとゴリゴリでマッスル。

う~~~ん。

しゃ~ない。


そしてしおりが渡され目を通す。

レクリエーション?

なんだそれ?

オリエンテーリング?

なんだそれ?

聞いた事もない大人の響きを含んだ文字が並ぶ。



あ~早く行きたいな!!

出発まで胸膨らみドキドキが止まらない。





放課後にお菓子を買いに行き

持ち物リストに載っているものを準備する。

コレも全てが楽しい。


前日の夜もワクワクしてあまり寝れないが頑張って寝る。



そして当日…


~(バス編)へ続く~





相変わらず友達の家にお泊まり会は週末にやって来る。

誰が言い出したか知らないが、恒例になっていて

だいたい圭太の家かこの頃から独り部屋をもらえた

俺の部屋だった。


少ない時は圭太と2人で。

多い時は15人でウチに泊まりにきた事もある。

よくあんな六畳の部屋に全員入ったと思う。






【#042 オウゥウ~イエェ~ス】






ある週末のお泊まり会でいつもの5.6人が集まった。

今日は待ちに待ったイベントがある。

それは、エロの神様こと

渡辺【#034 ニーオナ の回 参照】が

兄貴の部屋からくすねてきたと言う

エロビデオの上映会だ。


でかした。渡辺。パチパチパチ。



皆、キャベツ太郎やオーザックを食いコーラを飲みながら

余裕だと言わんばかりに平然を装っていた。

けど、内心は張り裂けそうな程ドッキドキだ。



そして、上映会が始まった。


胸ときめかせながら、親にバレない様に

ボリュームを最小にしてエロに立ち向かった。


最初は笑いながら見ていたが、

徐々に皆の動きは止まった。


そう。それはトレイシーという無修正の洋ものAV。

あまりにもデカイ外人のポコチン。

腹が減った犬の様にむしゃぶりつく鼻息の荒い金髪女。


多少の覚悟や知識はあったが

何もかもが想像を超えるショッキング映像だった。



そしてその後、俺は生まれて初めて女のアソコを見た。


なんかぐっちゃぐちゃだった。


もっと綺麗な一本線くらいに思っていた俺は

動揺した。

あんなに気持ち悪いのがあのアイドルにも、

クラスの人気者かおりちゃんにも、

街を歩くかわいい女の子にも、

全員についてるんだ。。


考えれば考える程嫌になる。

いっしょに見た殆どが初めて見た奴らで

皆もまた、絶句。。



更にそのAVは手を緩める事無く新世界へ突入し

アソコにピンポン玉を入れては飛ばし

また入れて、飛ばす。

まるで、ウミガメの産卵だ。


『オウ~、オウゥウ~、イエェ~ス』

男優が女優のアソコに指を突っ込んで

おしっこみたいな液体が勢い良く噴射する。

女優は狂った様な声を出し、また

『オウゥウ~、イエェ~ス、ジーザス』


その後は、別世界過ぎて全部は見れなかった。


正直、こんなのしたくねぇや。。

あんなのエロでも何でもねぇ。。

ただの獣の戯れだ。。





やっぱり俺らにはエロ本だ。

おっぱいがいっぱい載ってる

デラべっぴんが1番いいやね。

慰め合いながらまたスナック菓子のキャベツ太郎を一口食べた。

おいしいね~


中学生には重たすぎる “死”

今まで考えた事もなかった。

人はいつか死んで星になる。

そんなの嘘だ。

みんないつかは消えてなくなっちゃうんだ。






【#041 ごく普通の朝】






同じクラスの有希子ちゃんのパパが死んだ。

そう聞いた時ゾクッと背筋がこわばった。


有希子ちゃんの父親には一度も会ったことは無い。

俺にとってはあまりピンと来ない言わば無関係の人。

それでも有希子ちゃんが涙を見せずに堪えながら

友達に心配かけまいと真っ赤に腫れている目のまま

笑っている姿をみると、胸が痛くてやるせなくて

仕方が無かった。




家に帰れば親父がいておかんがいて兄がいて愛犬がいる。

俺にとっては【ごく普通】の事だったが、

一つでも【ごく普通】が欠けてしまったら。。

そんな事を寝る前に考えていた。


人は死んだらどこに行っちゃうんだ?


この指も足も目も口もいつか動かなくなっちゃうの?



生まれて初めて考えてみて、いつまでも無い答えを探した。

そのうち睡魔に襲われ寝てしまった。





朝起きてみると、ふと不安に駆られた。

急にこの世の中には、もう誰もいないんじゃないかと。


二段ベッドの下にいつも寝ている兄が居ない。

慌てて飛び起きダッシュで階段を降りる。



なんてこと無い。家族は朝飯を食っている。


『早くご飯食べて学校行かないと遅刻するよ』

おかんのいつものセリフ。

そして、

いつも通り臭い親父の屁

好き嫌いの多い兄の我侭

優しい愛犬の眼差し


【ごく普通】の朝に

なんだか泣きそうになった。






その時は何となくだったが

ここ最近でわかった事がある。

肉体は消えても、身近な家族や友達に

忘れない心があれば、魂は死なない。

きっと子供や家族には見えない絆が、

その人の存在が、受け継がれている。


やがてくる誰もが避けられない死。

決して悲しい事ではないと。





俺の周りは中学一年でタバコを覚えた。

それは“フカシ”も含めて。

肺に入れる事が出来ればそれこそ大人。

大体はカッコばかりの“フカシ”野郎ばかりだった。






【#040 憧れ】






吉田栄作カットだらけの俺らはまるでキノコ星人。

当時はそれが当たり前の髪型で

服はベンデービスかCAT、上着はMA-1もしくはN-2B

パンツはカーゴパンツ、靴はバッシュブームからユーイング

カバンはCOSBY、大体それだった。


個性なんて当時なくて雑誌BOONに載っていれば

カッコいいとされていた。


そしてBOONにも載っていない

カッコつけアイテム上級編としてタバコが現れた。




まずは買いに行くのが面白い。

友人の圭太とみっくんと

誰かに見つからない様に人通りも少なく

品数も少ない、くたびれた自販機までチャリを飛ばし

何とも言えないスリルの中、自販機近くをウロウロ。


100円ずつ持ち寄って当時250円だったマルボロを買う。

ボタンを押し手にした瞬間気分はもう大人。


チャリで空が暗くなりかけた頃公園まで行く。



ベンチに座り、タバコの封を空け独特の香りを味わう。

そしてみっくんは、

『俺やっぱマルボロなんだよね』

まだ吸っていない。


いよいよ親父の引き出しからくすねたライターを手にし

慣れない手つきで火を着ける。


圭太は火を着ける時タバコを吸わないから

なかなか火が着かない。


そして口いっぱいに煙を含み、ゆっくり吐く。

決して肺に入れない。

というか、全員むせてしまうので入れられない。

『あ~うめぇ』と皆で一言。


本当は口の中は気持ち悪くて仕方ないが

大人を味わう為にその動作を繰り返す。


俺らはもう大人なんだと感じた。



その時、遠くから懐中電灯の光が見えた。

やべぇ、父兄さんの見回りパトロールの会だ。

おっさん達は、

『おーい、お前ら~、こんな時間に何やってんだ~』

と近づいてくる。


俺たちは慌てて火を消す。


そしておっさん達は完全に消えてないタバコを見つけ

お前らタバコ吸ってたのか?どこの中学だ?

と。

俺らは吸ってないと言い張って逆ギレの後

少し遠くに停めてあったチャリに乗ろうと歩き出した。

するとみっくんが髭のおっさんに手を掴まれ

指の臭いを嗅がれた。


『やっぱりタバコ吸ってやがったなコノ野郎!』

と殴られる。

(当時は他所のおっさんに怒られるのは当たり前だった。)


いって~な~と言いつつも手を振り切って

思いっきりチャリをこぎ、逃走成功。

その時は無事撒く事が出来た。






しかし、翌日何故か先生に知られていて

職員室でボコボコにされた。

でも憧れの為、やめようとは思わなかった。


今回はクラス1のヨゴレキャラ

『バブ』の話。







【#039 天使の消しゴム】






バブはビックリするくらい頭が悪い。

常に鼻クソが出ている。

身長は中学生にして180cm。

巨体からは考えられない高い声。

そして、持ちネタ

『ディス イズ ザ ぺ~ン!!』

日課の様に決める。


ちなみにこの『ディス イズ ザ ぺ~ン!!』は

ふいにチンコを指で差し台詞を高い声で決めるだけ。

サブさ極まりない持ちネタ。

周りは、またやってるよ位にサラリと流す。


でも、バブは自信満々でやるもんだから

一周まわって面白かった。

まあ、わかりやすく言えば

安田大サーカスのクロちゃん的なキャラ。



そんなバブが

一番つまらない古典の授業中やらかした。


クラス中が眠さと闘っている時

もぞもぞと一人ズボンの中に手を突っ込んでいる。

ケツでも掻いているのかと思って俺は見ていたが

何やらバブの顔がニヤケている。

何か企んでいるのか。。



数分後バブの隣の席の女の子が激怒した。



何だ何だと先生がその女の子に事情を聞くと

『バブ君がすごい臭いの消しゴムを嗅がせるんです!』

とすごい形相で訴えた。


『本当か?』と問いただすと、

バブはいつもの元気は無く黙った。

先生は消しゴムの臭いを嗅いだ。

『うんこの臭いするじゃねーか馬鹿やろう』と。


そう。

バブは自分の肛門に消しゴムを擦り付け

臭いを嗅がせていた。


皆は、バブは何を考えてんだ、馬鹿だなと

いつもの様に苦笑。

その後バブは職員室に呼ばれた。



翌日になって先生から聞かされた。


バブの隣の席の女の子は三日前に

お婆ちゃんを亡くしていたらしく、

相当落ち込んで元気が無かった。

それをバブは誰よりも早く気付いて

何か面白い事を、と考えていたらしい。


しかしバブは生粋の馬鹿。

悩みに悩んで絞り出した答えは、

臭いもので笑わせる。だった。

バブの中で臭いものは鉄板だと信じていたから。


そして臭い付きの消しゴムを嗅がせて

結果、女の子は激怒。

天使の消しゴムにはならなかった。

バブは逆に落ち込んだ。




でもね、バブ。

それじゃダメだ。。






あの心優しい変態馬鹿のバブは

今、何をやっているんだろうか。

一生懸命どこかの町で働いているんだろう。

近所の犬の糞を見てバブの記憶が蘇った。

臭いもの=笑い

あながち間違いでは無いが、正解ではない。

バブ、犬のクソなんかで思い出してすまん。