
さくらさくら。
ひとが集まる。
さくらを見ていると、わくわくしたり
悲しくなったりする。
そう。
花びらの舞うなかで、わたしは誰かを待っていた。
くるくる。くるくる。
さくらが踊る。
風のおとに包まれながら、
わたしはあのひとの気配を探す。
空は爽やかなソーダ色。
ぽつぽつと緑の混じる枝先を、探しては数えながら眠気をやり過ごして。
手を繋いで歩いていく老夫婦の背中を、羨ましげにこっそり見送って。
あぁでもやっぱり眠い。
そう思ってあくびを噛み殺した時。
ざあっ、と強い風が吹いた。
視界まで奪われる花吹雪。
巻き上げられたさくらがわたしに降り注いで、同時に髪の毛が盛大に逆立ったのがわかる。
……さいあく。
さくらまみれでふくれ顔をした瞬間、誰かの吹き出し笑いが聞こえた。
えっ?
まだハラハラと花びらが舞うなか、ぴんくいろの世界に視線を走らせる。
そしてわたしはみつけた。
薄手のコートを翻して。
さくらを見上げながら、ゆっくりゆっくりこちらに向かって歩いてくる黒いくつ。
彼だ!
私は走り出す。
ポケットに突っ込まれた左手をめざして。
ねぇ。さくらが綺麗だよ!
知ってる。今見てる。
……そうだけど。
来年も、再来年も、隣で「綺麗だね」って言いたい。
そう思って繋いだ手に力をこめたら眼が覚めたw
夢かぁぁぁ
