【目次】

◼️はじめに

◼️序章-人体実験のきっかけ//

◼️1章-魂の約束////////



前回の内容





 第一部の朗読劇の幕がおり、第二部のコンサートは、私は舞台裏からずっと聴いていた。





 YouTubeで初めて聴いたときに、鳥肌が立って涙が溢れて止まらなかった歌声。魂をふるわせる音色。生で聴いていると、さらに引き込まれる。





 聴いているうちに、私はだんだん変性意識になってきたのか、肉体の感覚がなくなっていくような体験したことのない感覚になっていった。





 「あ!」




 目の前にダーーーーッとコマ送りの映像のように、これまでの人生の場面が、ものすごい速さで逆再生されていった。





 それは、今回の人生だけでなく、色々な国や時代に生まれたいくつもの人生の場面がパ、パ、パ、パ、と高速で切り替わっていく映像だった。





 最後に源のような光の中にいる映像が浮かび、次の瞬間、地球を宇宙船のようなところから見下ろしている映像に切り替わった。

 そしてエレベーターのようなもので、スーーーッと地上に降りていく場面で、突然の不思議な映像は終わった。






  おそらく、実際の時間だと数秒のことだったと思うけれど、深い部分で「思い出した」という感覚だった。





 そして、ふと舞台裏に一緒にいる仲間を見たときに、実際の姿と重なるように、着物を着て鎧をつけている映像が見えて、何故か瞬時に「源氏と平家だ」とわかった。





 あのとき、生まれた家が違ったばかりに、戦わざるを得なかった。憎しみを募らせてきたけれど、同じように人を愛し、大切なものを護ろうとしていた同じ人間なんだ。





 今回の舞台の裏の目的は、魂同士の和解だったんだ、と感じた。





 これまで、霊感というものもなく、視える訳でも聞こえる訳でもなかったので、突然の不思議な体験に驚いたが、深い部分ですべてを理解した感覚だった。





 そして、信じられない光景は、舞台終演後にも待っていた。





 「たった一人に届けばいい」

そう思って挑んだ舞台だった。





 けれど、舞台が終わり、出てきた人たちの多くが泣いていた。

 そして、何人もの人が、泣きながら「感動しました」「深いところが震えて、涙がとまらなかった」と感想を伝えに来てくれて、驚きと喜びとで、私も涙が溢れた。






 そして、その中に「娘が、舞台のストーリーと同じことを言っていた」という人がいた。

 その娘さんは、生まれてくる前の世界のことを覚えていて、以前、約束して生まれてきたという話をしてくれたそうだ。





 その話をしてくれた人こそ、Eちゃんと妹のRちゃんという、魂同士の繋がりとしか思えない深い交流をその後させてもらうことになる人たちとの出逢いだった。





 不思議なシンクロは、舞台が終わってからも発覚した。




 お金のピンチに関して、できる限りのことはしてみたものの、前日になり客席数を減らさないといけなくなったり、現実的に考えて赤字は確定だった。

 もうお金以上の体験をさせてもらったので、赤字はこれからの活動で、少しずつ埋めようと思っていた。

 




 ところが、後日、収支を計算してみたら、支出と収入が、何千円単位までピッタリ一致していたのだ。

 具体的には、当日券が立見もでたこと、応援金が予想以上に集まったこと、センターの支払いが見積もりより安く済んでいたことが合わさっての結果だった。





「………!!!」





  その数字を見た瞬間、私は号泣した。





 ずっとずっと見えない存在に、導かれ、護られてきたことを、全身で感じた。






 アタマで生きてきた私が、直感やインスピレーションに従う選択をすることは、勇気が必要だった。見えない世界は怪しいと思っていた。






 だけど、その選択の先には、アタマでは決して辿りつけない未来が待っていた。

 そしてそれこそが「魂の選んだ道」で、アタマで作り出した目標とは、全く違う次元の望みを叶える道だった。





 自分が、そして、すべての人が「魂の存在」であることを体感した「実験」だった。






 けれど、もうこんな大変なことはするまい!と心に誓った翌日、夢の中で新たなビジョンを受け取ってしまうのだが、この続きは第二章にて。






【第一章 終わり】



    

​直感と本音に従う人体実験メモ


現実の人生ドラマとは別の

魂のストーリーがある