「世界一周」

この言葉にあこがれる人は多いんじゃないかな


大学の頃、生協へ行くと世界一周に関する本や旅行本が片隅にズラ~っとならんでいた

エキゾチックな写真がプリントされた表紙をめくると


極楽か桃源郷のような美しい景色に力強い壮大な自然

どんな味?!と思ってしまうようなカラフルな食べ物

現地の人のビビットな生活


はぁ~憧れずにはいられない!!


それにどうやら世界一周航空券なるものが存在しているらしい


わんだふぉー!!

費用は決して安くないけどね、もちろん

期間とか何カ国に行くかとか宿にもよるが一年で大体200万くらいかな

それでも、毎回日本に帰ってからまた出かける方法なんかと比べるとはるかにお得であることは確かだ


世界やもん!



じゃあ、お金ためたらいけるやん!!


なんて思っていいのは日本人と一部の先進国の国民だけ

そう


日本パスポートは世界でも信用があるのです


このURLは、在日中国人の人が書いた記事↓

http://qzaihan.blogspot.com/2009/01/blog-post_30.html


要約すると、日本では永住が保証されていて経済的にはある程度安定していたとしても

「中国人」ってだけで世界一周は不可能に近いのです

何処へ行くにもビザが必要だからってこと


中国の都市部なんかは相当経済が発展しているし、今後はもっと緩和されるだろうけどね

いまだに自由旅行できる範囲も限られている様子


やれやれ


在日中国人である私にとってもこれは他人事ではない

世界一周できへんやん!!!!!・°・(ノД`)・°・


日本企業に入れば帰化はできるが、

私の選んだ道は中国で日本語教師(笑)


まあ、ネイティブ日本語教師として仕事をするし私の永住権が消えることはないから

今後にかけてみたい


わくわく大冒険にいつかいってやる~☆


・・・そして、今はただジョン・レノンの『Imagine』をひとり口ずさもう


      

Imagine there's no countries

It isn't hard to do

Nothing to kill or die for

And no religion too.

Imagine all the people

Living life in peace.Yu huh


You may say i'm a dreamer

But i'm not the only one,

I hope someday you'll join us

And the world will be one.








貴船の土地は貴船川の流れに沿うようにして旅館や茶屋が軒を連ねている

この貴船川は京都・鴨川の水源地であり、私が訪れた日は雨上がりということもあり水がゴーゴーザーザーすごい勢いで上から下へ流れていた

水音は山の中腹あたりまで届く勢いだった                            


そして、川沿いに上流へと歩いていくと鞍馬山の斜め向かいに貴船神社の鳥居が見えてくる

万物の命の源、水の神様を祀っているという


ドタバタ井戸端☆新米日本語教師の「日本語わけわかめ~」日記in重慶(8月からね)-貴船神社


ここへは古くから縁結びのご利益を求めてたくさんの人が訪れているようだ

そのひとりに和泉式部がいるらしい


和泉式部といえば平安時代の歌人で『和泉式部日記』でその名前を知っている人も多いだろう


百人一首でも「あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな」という歌を残している

この人はどうも恋多き女だったらしい

紫式部には「恋文や和歌は素晴らしいが、素行には感心できない」(『紫式部日記』)

と批評されたことからもその人となりが伺える


彼女が貴船の地を訪れたのは他でもない恋愛のお参り

夫の心変わりを悩んでやってきたという


(今も昔も恋心ってのは移ろうものなんだな~なんて無常観に浸ってしまうわ)



貴船神社の本宮から川沿いに奥宮に向かう途中に彼女のゆかりの場所がある

中宮、または結社(ゆいのやしろ)というところだ


鳥居を抜けて階段を登ると和泉式部の歌碑がある


「ものおもへば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞみる」


現代語訳:あれこれと思い悩んでここまで来ますと、螢が貴船川一面に飛んでいます。そのはかない光は、まるで自分の魂が体から抜け出て飛んでいるようでございます。

                                  ((※貴船神社HP参照))
「あぁ、風流な歌だな」なんて思っていると


これだけでは終わらなかった!!


なんと、男からの返歌があるのだそうだ

ん?男ってその旦那??

いえいえ違います。


和泉式部が思い悩んで歌を詠むと、社殿の中から貴船の神様


「奥山にたぎりておつる滝つせの玉散るばかり物な思ひそ」


現代語訳:しぶきを上げて飛び散る奥山の滝の水玉のように(魂が抜け出て飛び散り消えていく=死ぬかと思うほど)そんなに思い悩みなさるなよ。 ((※貴船神社HPより))

と慰めてくれたという。


その後夫婦円満になってめでたしめでたしというんだから本当に不思議な話

というより今の常識で考えるとありえない話


大方、一人で詠んで自分で悩みを解決しちゃったんじゃないか、なんて失礼な考えを持ってしまうんだけどね

しかし、そこは平安時代

人間と自然の距離が近かったように人間と神様の距離もきっと近かったのだろう


森には科学では考えられないようなことがどうも存在しているようで


うちの母も若い頃中国の熱帯雨林の中にいたことがあり、そこで死んだ友人の魂に遇ったというし

漫画家の水木しげるも軍隊時代ラバウルにいったとき、森の中で大きな妖怪の姿をみたという

(彼は結局所属していた隊唯一の生き残りとなったらしい、ヒャー!!)


「森」っていうのは昔から怪奇話の舞台であったことからも、

この和泉式部のエピソードもあながち本当の出来事だったのかもしれない


こうしてみるとあの義経が鞍馬天狗に修行をつけてもらっていたという伝説

もなんだか信憑性が出てくるじゃないか

貴船・鞍馬は確かに得体の知れない         ドタバタ井戸端☆新米日本語教師の「日本語わけわかめ~」日記in重慶(8月からね)-樹齢400年、桂

生命力のようなパワーに満ち溢れる土地だった

そこを歩いてみると実際力が湧いたもんだからますます不思議


パワースポットというだけあるなとしみじみ

もちろん、真剣にお祈りしましたよ

「ご利益ありますように☆」                                              



少し話は飛ぶが、そもそも「貴船神社」に「鞍馬寺」、神道と仏教が共存しているなんてなかなかユニークにも思える

アミニズム信仰ってこういうことなんだなと、どこかで勉強した「単語」が浮かんできた


ま、一神教の価値観からはなかなか理解されにくいかもしれないが、大地や自然、そして人間を守る神様はたくさんいてもいいじゃないか~っていう考えに私は大いに賛成である

縁結びの神様に金運の神様、そして健康の神様に旅行の神様、

どうぞよろしくお願いします!!



☆余計な一言

和泉式部はいったいどうして蛍の出ている時間帯にお参りにいったのだろうか?

神社ってのは夜に参拝すると悪鬼羅刹を呼ぶって話を聞いたことがあるのだが・・・




鞍馬寺から貴船までの道は曲がりくねっていて、そんな山奥の緑萌える道を義経こと牛若丸は修行で使っていたという


光もあまり届かないその薄暗い森には樹齢何百年にもなる巨大な杉の木や地上を這う木の根や生きとし生けるものの気配があたりを包み、今もどこかで牛若丸が修行をしている感じ。そして山のどこかに鞍馬天狗が身を潜めているような、そんな独特の緊張感が凛と張り詰められている山道である


ドタバタ井戸端☆新米日本語教師の「日本語わけわかめ~」日記in重慶(8月からね)-木の根道~義経の修行場?~              

ドタバタ井戸端☆新米日本語教師の「日本語わけわかめ~」日記in重慶(8月からね)-鞍馬寺金堂

そこを母と二人、大自然を肌に感じながら一歩一歩のんびり歩いてきた

母曰く、「もう、サンダルで来たのは失敗やったわ」

そう、この親子は神聖な森の登山道を完全になめていた

登りは石段、しかも鞍馬寺金堂までの九十九折道は業者さんたちが朝からせっせと掃除をしてくれたので何ともなかったが、問題はそこから下りの道だった

前日の雨でぬかるんだ泥を多く含む土、濡れた落ち葉に覆われた石段

すべりやすい上にサンダルに泥が入らないよう、慎重に進まねばならなかった

もちろん足を覆う面積の少ないサンダルの中のことだから、私の足は右へ左へ遊ぶ遊ぶ

過去には、長袖一枚にジャージ、そして底が擦り減ったため雨の日には非常に滑りやすいというスニーカーで富士登山をした経験から
「自然をなめてかかってはいけない」

「装備・服装はしっかりしたものを」


てなことを学んだわけですよ、実は


さらに言うと、以前はついついノイシュバンシュタイン城の裏山を小雨が降る中のぼったなんてこともあった

そう短パンとサンダルで!!

(下りが怖かった・・・)


こうしてみると、まったく学習能力がないな~と感じるわけで


でも、登山にかんしては絶対軽装で登ることは今後ないはずだ

数年前に北海道での登山事故を見たからね


そう、今回に関してはハイキングだと思うから油断してたんだろう、きっと


これから、ちょっとした散歩に出るときは極力スニーカーにしようと思う

急に山に登りたい病にかかるときがあるからね

そこに山があるとうっかり登っちゃうからね


そうだ!ABCマートのバーゲンコーナーでトレッキングブーツが4000円で売ってたな~

これから住むことになる重慶って所のまわりには数々の山があるらしいしね


「備えあれば愁いなし」


ちなみに、この靴を見かけたときも母が横にいたが、彼女は「重いやー、荷物の邪魔やー」

といって私の購買意欲をかき消していた


来週にでもこっそりひとりで買いにいこうと思う


やっぱスニーカーで十分か・・・?!う~ん悩む★


さてさて、修行の道を歩ききり、心が洗われたようなすがすがしい気持ちになったのだが

やはりそこはただの凡人

悟りを開くどころか全く持って何も変わらない

(ま、たった一度の登山だし)


ただ、両ふくらはぎの下にひどい筋肉痛を持ち帰り日常よこんにちは


やれやれ


・・・・思ったよりひどい運動不足にとほほほほ

鞍馬天狗さまに鍛えなおしてほしいよ、まったく