「奥さん同伴ではないのですか?」
と言われたそうなので、今度は私もついて行くことになった。
もういい加減に、治療方針を決めないといけないのに、なかなか決断できないでいる夫。
肺の手術なんてしたくない!と思っているのに、なかなか他の治療に決めた!!と踏ん切れない夫。
手術で、サッサと癌を取り除くのが一番!と思っている私。
テレビを見て、最新の放射線治療もいいかも?と気になりだした私。
身体の事となると、怖がりで優柔不断で弱っちくなる(モラハラ気味の)夫に、ふぅ~とため息が出てしまう。
6月23日、再度、放射線治療の説明を聞きに、夫と二人で病院に行った。
予約していた時間より、1時間以上も待たされた。お昼近くに呼ばれて診察室に入ると、医師は開口一番、
「長くなると思われたので、一番最後にさせてもらいました。お待たせしてすみません。」とご挨拶。
「2回もセカンドオピニオンされる人は、なかなかいないですよ。」とな。
気を使っていただいたみたいで、待ち疲れも少し吹き飛んだ。
弱っちく小さく見える夫の横で、よしッ聞くか!と気合いが入った。なんだかんだ言っても、やっぱり妻の出番なのか…な。
最初に、前回のセカンドオピニオンの内容を受け、呼吸器外科担当医師へ申し送った事項の大筋を、話してくれた。
『右中肺葉肺腺癌。
おそらく腎臓癌からの転移性肺癌。
癌が小さいため、標準治療である胸腔鏡手術がよい。
ただ、本人が肺の手術を望んでいない。』
予想通りの見立てだ。
でも、患者本人が手術を怖がって (嫌がって) いるからどうしようもない。この病院での放射線治療を、真剣に考えるしかないのだろうな。
私自身の気持ちも、切り替えて行かなくては…。
医師から問われた。「ご家族のお考えはどうですか?」
夫は、「娘は手術を勧めていますが、妻は私の納得する方法で…と思っているようです。」と答える。
医師は、「娘さんとご主人の考えの板挟みになっている奥様は、どうお考えですか?…ね、奥さんがこういう時 (迷って、どうしようもない時) には居た方がいいんですよ。」
私、「初めは、標準治療の手術がよいのでは…と思っていましたが、先生のお話を聞く中で、放射線治療でお願いした方がよいと思うようになりました。」(…という流れになるよね、どうしても)
これで、ようやく夫の治療方針が決定かな!
医師の説明内容である。
『これまでの実績では、原発性肺癌の場合、ほぼ100%転移はない。ご主人の癌は、形からして腎臓癌からの転移癌。転移癌でも10mm未満の場合は、放射線治療で99%やっつけることができる。』
転移性か原発性の見極めは、生検して調べないと判別できないのではないか。だから実のところ、手術した方がよいのではないかと思っていたのだ。
でも、転移性の場合は丸型で、原発性の場合は形が崩れているらしい。それでほぼ画像だけでも判別できるとのこと。夫の癌は見やすい場所にある、小さな丸い○形。
そういえば、亡くなった父の肺癌の形は☆型みたいだったな…。
この説明で、(なるほど…切らなくてもわかるんだ) 何が何でも手術!という考えからは、踏っ切れたような気がする。
『ただし、転移癌であるならば、もうすでに全身のどこかに転移があるかもしれない。もし、仮にまた転移癌が見つかった場合には、
また放射線治療を繰り返していくか?というと、そうはならない。それでは、もぐら叩きみたいな治療になる。
その時は、治療法について新たな検討が必要になってくる。』
これは、夫も私も、気になっていた事だ。この説明で見通しもつき、納得した。
もしも、次に転移癌とかが出できた時には、担当医の呼吸器外科とこの病院の放射線科とでカンファレンスになるとのこと。2つの病院での連携治療になるらしい。ありがたいことだ。
決めた!
治療が進んでいくことになった!
やれやれだ…よ。ったく。
次の時からが、夫の、本格的なの癌との戦いになると思われる。