それは42年も前の話です。
当時は 借家で犬を飼うことは出来なかったのですが、近所の友達が拾ってきた仔犬を軒下で飼おうということになりました。
白くてちっちゃくて可愛い仔犬を、チビと名付けてみんなで可愛いがりました。
残飯しか与えていませんでしたが、それでも、チビはすくすく大きくなりました。
それとともに仔犬の可愛さがなくなり、近所の子供達もわたしもチビに関わることがなくなって行きました。
数ヶ月たったある朝、私は家から離れてたトイレに行こうと玄関を出ました。
すると前の家の軒下で寝てたチビが一目散に私めがけて走ってきて私の足首をガブッとくわえ込んだのです
私は噛まれる!と思い、足がガクガク震えました。頭の中ではどうにかしてすきを狙って逃げなくちゃと考えていました。
チビは私の足をくわえ、すぐそばの溝の水を飲みました。今だ!と動くとまたガブッ!
まるで寂しいから一緒にいてほしいと訴えているようでした。
でも、そんな気持ちを理解できなかった私は、ただただやっぱし犬は怖い!と言うことしか頭にありませんでした。
すきを見て、それから全速力でトイレへ逃げ込みました。
咄嗟に追いかけてきたチビは、途中で立ち止まり、なんで逃げるの?という表情で寂しそうにこちらを見つめていました。
それからというもの、チビは私を見つけても 寄ってこなくなり、私も怖いので目を合わさず避けるようにしていました。
間もなく、私ら家族は引越しすることになりました。
引越しの日、軒下でペタ~と座っていたチビは上目遣いで私の方を見つめていました。
心の中でバイバイと言いながら、チビとはそれっきり会うことはありませんでした。
2年前にチョコ太と出会ってから、チビのことをよく考えます。
寂しそうな表情を思い出すたび、可愛がってあげれなかった後悔と申し訳なさで胸が一杯になります。
きっとチョコ太はチビの生まれ変わり~と信じてずっとずっと守っていきたいと思います。