☆気象さんBL小説です、ご注意ください♪



「F」



s×o




智side




2軒目いくんならあそこって決めてた




黒塗りの一目見ただけでは店とはわからない店。





実はカラオケ店。





個室になっていて共有スペースにはバーもある。








自分で言うのは嫌だけど

有名人御用達ってやつ。







そりゃ普通のカラオケ店行きたいよ。 








ジュニアの頃のレッスン帰りのように

ふらーっと入って気が済んだら帰ってって

したいけど...








ここは共有スペースに行かない限り


誰が入っているかはわからない仕組みになっている






にのが予約しといたからって言ってくれたけど

本当に大丈夫かなぁ。









「え、ここ、何?家?」






横で翔くんが驚いてる








「あれ?知らない?結構有名だけど」



「うん、初めてかも。雑誌とかで見たことある気がする」



「あ、違う違う、そういうんじゃなくて、ほら俺らの中で有名って話」







タクシーの運転手が車に乗ったまま窓を開けて
インターホンを押す。




俺は後部座席からカードを手渡した。



運転手がインターホンの画面にカードをかざす。







ピピっと電子音がなったかと思えば






「3」

という数字が画面に出た。







ギィー....







前の黒塗りの重そうなシャッターが上へと開いた。










「3」








と書かれたシャッターの前に来ると
再びシャッターが上がる。









そう...部屋は二階で一階は駐車場。










プライバシー保護のため
タクシーを利用する場合でも乗り降りは
各部屋の駐車場内だと厳しく決められている。














「おまちしておりました。大野様」








身なりを正したボーイがドアを開けて出迎えてくれた。









「え...っ....あっ...と」




「翔くん、こっちこっち」



大理石でできた階段にシャンデリア。




外から見る風景と違ってとんでもなく豪華だった。








見慣れない店に翔くんはまごついていて
緊張してるみたいだった。





俺はと言えば
この店はよくにのに連れて来てもらってたから慣れてた。






「しっかし凄いね...ここ、兄さんよく来るの?」





翔くんなんて緊張し過ぎて

兄さん呼びになってる。








トントントントン




驚いてる翔くんをおいて

少し駆け足で先に階段をかけあがる。











「げっ、に、にのぉ、、、」




3番の部屋を利用するのは初めてだった。









相当高いらしいってのは噂にきいてたけど。

真ん中には高級ベットシモンズが手がける高級ソファ。








しかも普通のサイズではなく

足が伸ばせるくらいの大きさで。








これおいら寝ちゃうじゃんっ....






しかもちょっとこれは早すぎでしょ...







カァァ/////

耳があっつく感じた



「やべぇ、、」



だってもうベットみたい...


ぶんぶんぶん







違う!






あぁもぅおいら....


なにやってんだろ....



自分の気持ちに全然ついてけない....












階段の下を見ると座って

靴紐を丁寧に解いてる翔くん










でも

ここで翔くんと2人っきり...









夢だろ、こりゃ















♪〜

急になりはじめた音楽に振り返ると


I seek


一曲目だけ予約してあって

入ったら流れる仕組みになってたみたい










にのったら....










机の上のウイスキーが入ったグラスをとると

階段を上がって来た翔くんに渡す。

自分のグラスを取ると一気に流し込んだ



ゴクゴク....




う、うめぇ...






「ちょ、智くん、、大丈夫?」





あぁもうなんでもいいや。





今日はもう帰りたくない....





「翔くん、うたお!ほら、始まっちゃう」


「え、ぁ、うん!」