☆気象さんの青さんBL小説です、ご注意下さい。
[ちろっとまえがき]
今日はいい夫婦の日(〃ω〃)
ってことでヤマ夫婦...と行きたいとこですが
ヤマは智誕に短編用意してるので、
いいめのとの日で♡では。
「いい夫婦の (めのと)の日」
平兵衛×無門
忍びの国パロで純愛です、1話読み切りです。
全て平兵衛視点となっています。
設定は平兵衛だけ復活してます。
平兵衛side
「おい、遅いぞ。お前、ほんとに忍び?」
木の上から声がした
「無門....お前は....
待つということが出来ぬのか...
皆お前みたいに足が速いわけでない。」
「わかっておる
じゃ!お先」
たったったっと駆けていくその後ろ姿が
だんだん小さくなって途端に見えなくなった。
一応、俺も今全力で走っている。
そう
話は3時間前にさかのぼる
人の気配を感じて目が覚めた。
気がつくと
喉元に自分のクナイが当てられていた
声を聞かずとも誰かわかった。
クナイの刃に添えられている
女のような綺麗な長い指。
そうあいつ、無門だ。
「よっ...久しぶりだな」
聞き飽きた間の抜けた声がした
「またかよ...」
「ちと、手伝って欲しいことがあってな」
見上げると暗闇ににっと笑った口元だけ見えた
「知らん」
「えっ!?」
驚くのももはや芝居に見える。
いつものことだから。
俺がお前の誘いを断るのは。
いつも本当にろくなことがない。
だから今回だけは絶対に乗らない。
「ねぇ、お願いっ!一回だけぇ!」
ペコペコしているのだろう
顔に何度か風がかかる
「駄 目 だ! 帰れといっておろう!」
わかっている
お前はいつも俺が首を縦に振るまで動かない。
きっとこの後は俺の手を持って振り回すだろう。
「......わかった」
え...
なんだ、なんだ、
き、気になるではないか...
いつもと違う流れに
俺は一瞬戸惑った。
そういうとあいつは
何も言わずスッと立ち上がった
はぁ
今回も負けだ。
"ギュッ"
布団から手を出して
ドアへと向かう細い足首をつかんだ。
「わかったよ、、」
そして今
俺は走っている。
あいつの姿はだんだんと見えなくなり、消えた。
それでも俺は走る。
'スゥー'
あいつの残り香に神経を研ぎ澄まし
その方向へと足を忙しなく動かす
暗い暗い森を駆ける
本当にこっちであっているのか
朝の近づきを知らせる鳥の声が聞こえる
おのれ、無門。
いつもいつも俺を引き摺り回す。
だいたい俺はなぜ今走っているのだ、
理由くらい教えてくれてもいいではないか。
"「....わかった」"
俺の布団の側で言った
無門の寂しそうな声がこだました
今日だけだ....今日だけ
"バシュ"
茂みを抜けた。
「くっ...」
眩しさに一瞬目が眩んだ
大量の光が射している
あいつの残り香はその光の方へ続いていた。
光の方へ行くと
花....
無数とはこのことをいうのか。
水平線、いや丘の切れ目まで全部、全部だ。
「無門!」
当の本人はその丘の頂上、
お花畑の真ん中で
頭の後ろで腕を組み
片足を上げて寝っ転がっていた
「んぁ...きたか...」
目を開けるとガバッと起き上がり
胡座をかいた
「ついたぞ」
「見ればわかるわ、だからなんだ?」
俺の問いかけをひらりとかわし
後ろを向いて鼻歌を歌いながら
花を摘みはじめた
「ん、これくらいかな」
ぶつぶつとひとりでいっている
「だから何なんだよ」
「え?お前知らないの?今日が何の日か」
「......何の日か、、ねぇ」
「あ、忍びの日じゃないからな、
11月22日でいいニンニンの日とかやめてくれよな」
んふふふふ
小さな花束を片手に肩を震わせて笑っている
「何の日だろ、、、」
俺はさっきまで無門が寝転んでいたところに
寝っ転がった
空は青く、
雲の流れがとても早く感じた
「めおと!めおとの日だろ!」
急に視界に顔が出てきたかと思ったら
ちょっと怒ったような顔で見てきた
「ああ.....でも..お前...」
「夫婦になろうって言ったんだ...」
「.....」
「お国...こんなわしでも夫婦になろうって...」
「.....」
「だから、今日は特別な日なんだ。
大切な人に気持ちを伝える日。」
「.....」
俺は起き上がると
背を向けて黙って花を摘んだ
無心で摘んだ
「大切な人...いるの?」
背中から声がする
「あぁ...俺にだっているさ」
「.....ごめん」
弟のことだろう
「ちがう....いいんだ」
いいんだ。
ほらこうやっていつもろくなことがない。
俺の気持ちはお前には伝えられない。
言ったところで
お前なら
"は?何言ってるのお前?"
って軽く笑い飛ばすに決まっている。
そして今日はなんだ
夫婦(めおと)の日か
俺に見せるために連れてきたのか
お前は俺の気持ちに気づいているのか
だとしたら本当に残酷なやつだ。
俺は
お前が好きだ。
"大切な人はお前だよ"
これを受け取ってもらえたら
どんなに幸せなことか。
手の中の花束はくしゃくしゃになっていた。
手を開くと花の香りと草の香りがした。
無「な、なんだよ...」
気がつくとあいつを見下ろしていた。
いや、睨んでいたの方が正しいのかもしれない。
言いたいことは山ほどあった。
でも、怒涛のように言ってしまったところで
本当の気持ちをポロリと言ってしまったらと考えると、
恐ろしくてたまらなかった。
「なんで俺が来なきゃいけなかったんだよ、
1人で来れるだろー花摘みくらい」
そういうのが精一杯だった
惨めにはなりたくなかったから笑顔をつくった
それなのにあいつは
「お前とさ、お前と来たかったんだよ」
人懐っこい笑顔でくねくねしながら上目遣いで言った
俺は
全身が心臓になったみたいに
鼓動が大きく波打っていた。
ほら、またその一言で
俺はお前に惹かれて行く
本当にお前といるとろくなことがない
だけど
今日は少しだけ
来てよかったと思えた。
END
[ちろっとまえがき]
今日はいい夫婦の日(〃ω〃)
ってことでヤマ夫婦...と行きたいとこですが
ヤマは智誕に短編用意してるので、
いいめのとの日で♡では。
「いい夫婦の (めのと)の日」
平兵衛×無門
忍びの国パロで純愛です、1話読み切りです。
全て平兵衛視点となっています。
設定は平兵衛だけ復活してます。
平兵衛side
「おい、遅いぞ。お前、ほんとに忍び?」
木の上から声がした
「無門....お前は....
待つということが出来ぬのか...
皆お前みたいに足が速いわけでない。」
「わかっておる
じゃ!お先」
たったったっと駆けていくその後ろ姿が
だんだん小さくなって途端に見えなくなった。
一応、俺も今全力で走っている。
そう
話は3時間前にさかのぼる
人の気配を感じて目が覚めた。
気がつくと
喉元に自分のクナイが当てられていた
声を聞かずとも誰かわかった。
クナイの刃に添えられている
女のような綺麗な長い指。
そうあいつ、無門だ。
「よっ...久しぶりだな」
聞き飽きた間の抜けた声がした
「またかよ...」
「ちと、手伝って欲しいことがあってな」
見上げると暗闇ににっと笑った口元だけ見えた
「知らん」
「えっ!?」
驚くのももはや芝居に見える。
いつものことだから。
俺がお前の誘いを断るのは。
いつも本当にろくなことがない。
だから今回だけは絶対に乗らない。
「ねぇ、お願いっ!一回だけぇ!」
ペコペコしているのだろう
顔に何度か風がかかる
「駄 目 だ! 帰れといっておろう!」
わかっている
お前はいつも俺が首を縦に振るまで動かない。
きっとこの後は俺の手を持って振り回すだろう。
「......わかった」
え...
なんだ、なんだ、
き、気になるではないか...
いつもと違う流れに
俺は一瞬戸惑った。
そういうとあいつは
何も言わずスッと立ち上がった
はぁ
今回も負けだ。
"ギュッ"
布団から手を出して
ドアへと向かう細い足首をつかんだ。
「わかったよ、、」
そして今
俺は走っている。
あいつの姿はだんだんと見えなくなり、消えた。
それでも俺は走る。
'スゥー'
あいつの残り香に神経を研ぎ澄まし
その方向へと足を忙しなく動かす
暗い暗い森を駆ける
本当にこっちであっているのか
朝の近づきを知らせる鳥の声が聞こえる
おのれ、無門。
いつもいつも俺を引き摺り回す。
だいたい俺はなぜ今走っているのだ、
理由くらい教えてくれてもいいではないか。
"「....わかった」"
俺の布団の側で言った
無門の寂しそうな声がこだました
今日だけだ....今日だけ
"バシュ"
茂みを抜けた。
「くっ...」
眩しさに一瞬目が眩んだ
大量の光が射している
あいつの残り香はその光の方へ続いていた。
光の方へ行くと
花....
無数とはこのことをいうのか。
水平線、いや丘の切れ目まで全部、全部だ。
「無門!」
当の本人はその丘の頂上、
お花畑の真ん中で
頭の後ろで腕を組み
片足を上げて寝っ転がっていた
「んぁ...きたか...」
目を開けるとガバッと起き上がり
胡座をかいた
「ついたぞ」
「見ればわかるわ、だからなんだ?」
俺の問いかけをひらりとかわし
後ろを向いて鼻歌を歌いながら
花を摘みはじめた
「ん、これくらいかな」
ぶつぶつとひとりでいっている
「だから何なんだよ」
「え?お前知らないの?今日が何の日か」
「......何の日か、、ねぇ」
「あ、忍びの日じゃないからな、
11月22日でいいニンニンの日とかやめてくれよな」
んふふふふ
小さな花束を片手に肩を震わせて笑っている
「何の日だろ、、、」
俺はさっきまで無門が寝転んでいたところに
寝っ転がった
空は青く、
雲の流れがとても早く感じた
「めおと!めおとの日だろ!」
急に視界に顔が出てきたかと思ったら
ちょっと怒ったような顔で見てきた
「ああ.....でも..お前...」
「夫婦になろうって言ったんだ...」
「.....」
「お国...こんなわしでも夫婦になろうって...」
「.....」
「だから、今日は特別な日なんだ。
大切な人に気持ちを伝える日。」
「.....」
俺は起き上がると
背を向けて黙って花を摘んだ
無心で摘んだ
「大切な人...いるの?」
背中から声がする
「あぁ...俺にだっているさ」
「.....ごめん」
弟のことだろう
「ちがう....いいんだ」
いいんだ。
ほらこうやっていつもろくなことがない。
俺の気持ちはお前には伝えられない。
言ったところで
お前なら
"は?何言ってるのお前?"
って軽く笑い飛ばすに決まっている。
そして今日はなんだ
夫婦(めおと)の日か
俺に見せるために連れてきたのか
お前は俺の気持ちに気づいているのか
だとしたら本当に残酷なやつだ。
俺は
お前が好きだ。
"大切な人はお前だよ"
これを受け取ってもらえたら
どんなに幸せなことか。
手の中の花束はくしゃくしゃになっていた。
手を開くと花の香りと草の香りがした。
無「な、なんだよ...」
気がつくとあいつを見下ろしていた。
いや、睨んでいたの方が正しいのかもしれない。
言いたいことは山ほどあった。
でも、怒涛のように言ってしまったところで
本当の気持ちをポロリと言ってしまったらと考えると、
恐ろしくてたまらなかった。
「なんで俺が来なきゃいけなかったんだよ、
1人で来れるだろー花摘みくらい」
そういうのが精一杯だった
惨めにはなりたくなかったから笑顔をつくった
それなのにあいつは
「お前とさ、お前と来たかったんだよ」
人懐っこい笑顔でくねくねしながら上目遣いで言った
俺は
全身が心臓になったみたいに
鼓動が大きく波打っていた。
ほら、またその一言で
俺はお前に惹かれて行く
本当にお前といるとろくなことがない
だけど
今日は少しだけ
来てよかったと思えた。
END