ぐるんぐるん
寝ずにパタパタと荷作りをする。
朝焼け頃にお風呂に入る。
「うん、私は大丈夫」
クマのひどい顔に言う。
ガラガラと荷物を引き、
ゆらりゆらりとバスに揺られ、
久々に感じる心地よい睡魔に身を任せて目を閉じた。
目を覚ますと成田空港。
覚めやらぬ睡魔でぼーっとしていたら
それは突然と私を襲ったのだ。
笑顔で到着ロビーに待っていた彼への記憶
心が
気持ちが
思い出が
ぐるぐる
ぐるぐる
精神をかきまわす。
ぐるぐる
ぐるぐる
もう
もうやめて
やめて
お願い。
笑。
3週間の滞在のうち、太陽は隠れてばっかだったのに
晴れる最終日。
ぐっしゃぐしゃの顔に降り注ぐ都会の太陽。
なんだか、耐えきれず小さく はは っと笑ってしまった。
思わず笑った自分にまた笑い、顔を拭いて
ぱちん、と自分の頬を打つ。
おっけい。
on y va.
よし。
よし。
涙で今までの面を汚した。
惨めに鏡に映る自分。
必死で小さくて弱くてアホな自分が
ありありとそこに映っていた。
「あ、そこにいたのね。」
と隠れていた自分の陰に声をかける。
力なくだらしなく、返事もせずチラと見るだけの弱い自分。
「しょうがないなぁ。」
と言いながら、寝ていた弱い自分を抱き起こして
「ほら、行くよ」
「顔ぐらい拭きなよ、汚いなぁ」
「隠れなくてよかったのに」
「誰もそうしろって言ってないじゃない」
「まったく、君っていつもそうだね」
返事の代わりに弱い自分が鼻をすすった。
「ほら、みんな、そこにいるじゃない。
あなたが出てくるの、待ってるじゃない。」
ずずっ。
うん。
けれど、きっと
「強いよね」
と言われてしまうような状況に追い込んだのは私。
そこで、
「ちがうよ。」
と言えなかったのも私。
きっと
プレッシャーは
自分に一番かけていたのだろう。
その隣で
ホッと一息つけるわけがない。
しょぼいな、私。
嗚呼。
「強いよね。」
いつだって言われてきた。
そう言われるたびに、心がぎゅっと硬くなる。
「ちがうよ。
そう言いたくても、
口の中でひっかかってつまる。
「いっぱいいっぱいだからね。」
虚しく笑い濁して話を変える。
人は、切なくなる程に弱い。
誰だって弱い部分さらけ出してホッと一安心つきたいところ。
そういうポジションにいつだってなりたくて
がむしゃらに自分と向き合った、
そうすれば、きっと安心感を与えられる存在になれるんだと。
何もいらない。
そのホッと一息つく姿だけが見たい。
家族も友達も好きな人もみんな、
私の隣でホッと一息つく姿。
それが私の揺るがない安心感。
ただそれだけのこと。
他に何もいらない。
皆が全力で
泣いて
怒って
そして笑う、
そんな人生を送ってほしいだけ。
ただそれだけ。
嗚呼。