りさぽん












『誕生日 サプライズ』


『誕生日 サプライズ 彼女』


『誕生日 サプライズ 失敗』



理佐の誕生日まであと一ヶ月



理佐の恋人として一年に一度しかない誕生日を
特別なものにして、理佐の笑顔をたくさん見たい



『誕生日 プレゼント』


『誕生日 プレゼント 渡し方』



お揃いの腕時計、、ペアウォッチか、、
それはさすがにちょっと恥ずかしすぎる



あとは、服、くつ、財布、、
んー、プレゼント何にしよう



理佐なにか欲しいものあるって言ってたかな、、










「……い、由依、、!」


「っあ、、理佐!……おかえり」


「ただいま、そんな真剣になに見てたの?」



急いでスマホの画面を理佐から遠ざける



「え、、あー、ネットショッピングしてた」


「いいね、なんか可愛いのあった?」


「これ、、これ買おうか迷ってて」


「ん?腕時計?珍しいね、これ可愛い。由依似合いそう」


「ほんと?」


「ほんとに可愛い。あ、私もいま見てる腕時計あるんだー、」


「可愛い、理佐ぜったい似合うよ」



急に帰ってきてびっくりした
すごい焦っちゃったけどバレなかったかな



でも何とか誕生日プレゼントはこれで決まりそう



買うか迷ってる理佐の顔、かわいかったし



せっかくだしペア腕時計にしようかな…
でも、渡す時どうするの
実はわたしとお揃いです、って、、?



ちょっと恥ずかしくない?……



第一、お揃いにして理佐喜んでくれるかな



んー、だめだ、いいイメージができない……





去年はお互いが仕事だったのもあって外でお祝いしたけど、今年は私がお休みだし世の中はこんな状況だし、お家でゆっくりお祝いしよう



あとはご飯とケーキ、、
当日までに何度か練習しとかないと……







気づけば誕生日前日の夜
好きな人の誕生日って自分の誕生日より緊張する



24時になったら誰よりも先にお祝いしたい



「もう少しで22歳の理佐ともお別れだね」


「そうだね、一年はやかったな」


「たのしかった?」


「もちろん、由依といれたから幸せだったよ」


「……それならよかったです、、」


「由依ちゃんすぐ照れる」



自分でも顔が熱くなってるのがわかる
なんで理佐はそんなことすぐ言えるのかな、、



「……だってなんて返していいかわかんないもん」


「わたしも理佐といれたから幸せだったよ、って」


「…それ、わたしが言うの?」


「由依のほかにだれが言うの?」


「……それは、ちょっと、、」


「由依の口から直接きいてみたいなぁ、、」


「…言えない、言えない、、」


「わたし誕生日なのになぁ、、」


「ちょっと待って、わかった、わかったから、、」


「可愛い、はい待ってます。」



理佐がこっちを向いて楽しみに待っている圧が伝わってくる



「……ちょっとまってね」


「待ってるよ」


「わたしも、、」


「うん」


「理佐といれて、、」


「由依、顔赤いよ」


「もうやだ…!それいま言う??」


「可愛すぎてつい、ごめんね」


「もう言わない、、!」


「由依ちゃん、ごめん、、」



にこにこしながら謝ってくる理佐に怒っていると、
急に理佐のスマホの音が絶えず鳴り出した



あー、やってしまった……
時計を見ると24時を指していた




「あっ、まって!」



スマホを手にしようとする理佐の手を咄嗟に握る



「……理佐、お誕生日おめでとう」


「…ありがとう。」


「…わたしも理佐といれて、、毎日幸せです。
   これからも宜しくおねがいします。」



状況的にはわたしが理佐を抱きしめる立場なのに
気づけば理佐の腕の中にいた



「よく言えました。一番にお祝いしたかったの?」


「……うん」


「私も由依に一番にお祝いしてほしかった、ありがとう。
   こちらこそたくさん宜しくお願いします。」



そう言うと、静かに口づけをされた。







朝、目が覚めて理佐が仕事に行くのを見届けると、何度もシミュレーションしてきた通りに買い物に行って、料理を作って、プレゼントが家に届いて、手紙を添えて、、



理佐が帰ってくるまでの間、大忙しで準備を進めた。



「なんとか間に合った、、ケーキも一番良い出来栄え」



今から帰るって連絡もきたし、、
理佐よろこんでくれるかな、、



理佐の笑顔を想像すると楽しみになってきた



「由依、ただいまー!」



いつもより楽しそうな理佐の声



「理佐おかえり、リビングに来て下さい」


「何かな何かなー、、うわぁー、え!凄い!これ由依が一人で作ったの?」


「へへ、頑張りました」


「わたしの好きなものばっかりだ」


「理佐の誕生日だからね」


「ありがとう、はやく食べたい」



心からそう言ってくれてるみたいに目をキラキラさせて喜んでいる理佐を見て、頑張ってよかったと思えた



一つ食べては美味しいと言って、感想まで言ってくれるから自慢げに料理のポイントとか言っちゃった



わたしまで浮かれちゃったじゃん



「あとでケーキもあるからね」


「うわぁー、やったー!もう食べたい」


「お腹いっぱいじゃない?」


「うーうん、はやく食べたい」


「わかった、じゃあ理佐目瞑ってて?」



お手製のケーキに、火の灯ったろうそくを添えて完成。



そっと、崩れないように理佐の元に運んでいく



目をつぶって待っている理佐が愛おしくてつい写真を撮ってしまった。気付かれてはないと思う……



「由依、目開けていい?」


「ちょっと待ってね、、いいよ、じゃーん!」


「うわぁー、可愛い!チョコケーキだ」


「お互いが好きなチョコにしました」



2人で揃ってハッピーバースデーの歌を歌って、
ろうそくの火を消す理佐を動画に収めて、
理佐とケーキの写真もたくさん撮った。



こうして、また思い出が増えていく。



「由依 料理上手だね、美味しすぎる」


「意外と簡単なんだよ」


「じゃあまた一緒に作ろう」


「うんまた作ろう。、、理佐」


「ん?」


「はい、理佐にプレゼント」


「え、ありがとう。今日は貰いすぎだね」


「恥ずかしいけど、開けて」



箱を開けている理佐を見て、喜んでくれるのか緊張する



「あっ、わたしが欲しかった時計だ、、」


「……実はね、わたしも一緒の時計お揃いで買ったの、、」



そう告げると、一瞬視界が真っ黒になって
すぐに理佐に抱きしめられてるんだって気づいた



「由依からお揃いにしてくれたの本当にうれしい」


「……嫌がられたらどうしようかと思った」


「そんなの思うわけないよ。ほんとに嬉しい」


「よかった……」



安心していると理佐がこっちを向いてにこにこしている



「由依、可愛い」


「それやだ」


「いっぱい考えてくれたの?」


「……うん」


「ほんとに可愛い、ありがとう」


「やだー、いいから理佐、つけてみて?」


「怒んないの。じゃーん、わぁー、可愛い!由依もつけて、つけて」


「あ、かわいい」


「由依とお揃いほんとに嬉しい、お仕事につけていこう」


「お揃いだってバレちゃうじゃん


「いいじゃん、みんな知ってるんだし」


「恥ずかしいよ、、」


「由依から貰ったのってみんなに自慢しよう」


「そんなに喜んでくれてよかった」



色んな角度から見たり、私の腕と並べたりしてくれて
私まで嬉しくなる



「本当にありがとう、あれ、手紙も入ってる」


「あ!それは、一人で読んで下さい」


「分かりました。…由依、ほんとに色々考えてくれて準備してくれてありがとう。由依のおかげで素敵な一日になりました。」


「こちらこそ、理佐の誕生日を今年もお祝いできてうれしい」


「由依、大好き」


「わたしも、理佐大好き。素敵な一年にしようね。」


「うん。由依がわたしの恋人でよかったっていつも思うよ」














お読みいただきありがとうございました。

理佐ちゃんお誕生日おめでとう。🎂