ん? 江戸(現 東京)かな? 

なんか違うぞ!

 

そうです。 違います。 ここは福島です!

 

 間違えてここにいるのではありません。

「よってがんせ福島」

素直な私はこの言葉通りに「よってがんせ」しました!

福島はいいところです。

 

 2011年 東日本大震災でえらいめに合いました。

数年前までは屋根の上に被せられた青いビニールシートも見かけられましたが現在では

見かけなくなりました。

ちょっとずつ、以前の普通の生活を取り戻せてきています。

原発事故の影響で立ち入り禁止区域だった場所にも徐々に人がもどりつつあります。

 

 江戸へたどり着く前に、福島で温泉に浸(つ)かることにしました。

福島には すばらしい温泉がたくさんあります。

今回向かったのは「飯坂(いいざか)温泉」です。

阿武隈川(あぶくまがわ)水系の摺上川(すりかみがわ)を挟んで川岸にずらりと温泉宿が

立ち並んでいます。

2世紀頃からの歴史を持つ温泉街で、福島の奥座敷の異名を持っています。

ヤマトタケルが東征の折に湯治をしたという言い伝えもあります。

1689年(元禄2年)には江戸からくだってきた松尾芭蕉と弟子の河合曾良(かわい そら)

が訪れ、また正岡子規や与謝野晶子なども訪れています。

 川のせせらぎが聞こえる情緒溢れる温泉街です。

1970年代以降、東北自動車道や新幹線などの整備開発が進み全国からたくさんの人々が

押し寄せる温泉街に成長しました。

 現在では、温泉宿が趣向をこらした独自のプランを多数 用意しています。

日帰りプランでも豪勢な食事付きだったりとお手軽な値段で温泉を満喫できます。

 福島でも雪でした。

雪の中、温泉に浸かっています。

 なんだか、世の中の方々に申し訳ないような気もしますが、とてもいい気持ちです。

身体が温まる。

浴場の窓からは摺上川が眼下に見えます。

 

 

 無色透明っぽいお湯です。 

強いにおいもなく、弱アルカリ性なので、肌にやさしいお湯です。

ただ、お湯の温度設定が高く感じました。(宿によって違うのかな?)

身体が芯から温まりました。

いい、お湯です。

 ひとつ、とても驚いたことがありました。

洗い場に、何かいろいろな種類のシャンプーやコンディショナー ボディソープなどが

置かれてありました。

「馬油さくらシャンプー」と書かれています。

なんか知らんけど使ってみよう! 

うん、いいかも。

「黒墨石鹸で毛穴すっきり」と書かれています。

なんか知らんけど使ってみよう!

あっ、肌がつるつるになりましたよ。

「ピーリングジェル」と書かれています。

なんか知らんけど使ってみよう!

おぉ!肌がボロボロとれてきた!

このままだと、顔がなくなってしまうのではないかと思えるくらいポロポロと顔から

古い角質が落ちました。

というか、こんなに自分って汚れていたのかな?

ガクッ。

 

 ほおぅ、いろんなものがあるのですね。

おそらくですが、大浴場は2つあり、日にちや時間により男用女用とそれぞれ

入れ替えるはずです。

どちらかといえば女性用のものだと思うのですが、両方の浴場に置かれたままになってい

るのでしょう。

肌がすごくきれいになりました。

全身の肌はつるつるです。

顔もきれいになりました!

浴場に置かれているものは、宿の売店で購入できました。

全種類を購入したかったのですが、荷物を増やしたくなかったのであきらめました。

残念! 

 

 食事はバイキングでした。

いろんなものを各自が勝手に皿に盛り付けして、時間制限の中 自由に食べることが出来

ます。

和食、洋食、飲み物もジュース、お酒、コーヒーなどとあらゆる種類が置かれてあります。

カニも食べ放題でした。

大食堂で食べるのですが、みなさん じいちゃん、ばあちゃん、おばさんグループみんな

幸せそうな笑顔で食事をしていました。

 

 食堂に置かれてあった巨大な鳥の彫り物です。

手前に置かれてあるイスと比べるとその大きさが分かります。

幅は3メートルくらいあるのではないでしょうか。

みごとです。

黒松の樹でしょうか。

だとしたら、この大きさですから原材料だけでも相当な値段になるはずです。

彫師の銘を探したのですが、分かりませんでした。

この躍動感、飛び立とうとする瞬間でしょうか。

眼が生きています。

魂が宿っているのではないかとすら思えました。

 

 食事はとてもおいしかったです。

私は食事よりもこの彫り物の方に興味を持ったので食事の写真はありません。

 

 いい温泉がある。

おいしい食べ物がある。

最高です!

極楽です!(行ったことはありませんが)

 

 こうした施設があるといいですよね。

ちょっと、時間があってのんびりしたくなったら手軽に来られるのですから。

飯坂温泉は本当にいいところです。

肌をつるつるにして、顔もむきゆでたまごのようにきれいにして江戸に向かいました。

 

 

 

 雪が全然ないのですね。

物足りないです。

江戸に慣れるまで時間がかかりそうです。