熊本地震でエコノミークラス症候群になるケースが相次いでいる車中泊について九州7県と福岡、北九州両市が、地域防災計画に対策を盛り込んでいない事が分かりました。
被害が大きかった熊本市、熊本県益城町、同県南阿蘇村なども地震前に対策を講じていなかった。
2004年の新潟県中越地震以降、車中泊対策の必要性は指摘されているが、国の防災基本計画にも示されておらず、「関連死を防ぐ為に国が指針を示すべき」と指摘している。
地域防災計画に車中泊対策を盛り込んでいる自治体はなく、熊本県は「車中泊は想定していない」、長崎県は「避難所への避難が前提」と回答。
その上で多くが「国の基本計画の修正を踏まえて見直す事になる」との姿勢を示した。
熊本地震では余震を恐れるなどして多くの人が車中泊をして益城町では一時約1万人に上った。
熊本県内では、車中泊が原因とみられるエコノミークラス症候群の疑いで亡くなった人が複数確認されており、入院が必要とされた重症患者は50人を超えている。
こうした事態に内閣府は車中泊対策の検討を始めた。
担当者は「熊本地震の課題を検証し、一定の車中泊対策を考慮する」と話した。
車中泊が原因とみられる震災関連死は04年の新潟県中越地震で相次ぎ、11年の東日本大震災でも対策が課題となった。
同県長岡市は06年に車中泊を続ける人にも支援物資が届くように地域防災計画に盛り込んでいる。
同市の担当者は「中越地震の教訓を踏まえて独自に取り組んだ」としています。
今後もプライバシーの確保などから車中泊は増えるはずで、行政は車中泊という避難のあり方も認めて支援に努めるべき。
国も自治体も早急に対策を取る必要があります。