結局、昔の恋人から送られてきた

スイトピーの種から芽が出ることはなかった。


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夫はいつも思いがけず

ステキなプレゼントをくれる人だ。


夜、飲みに出かけると

必ず最後に小さな花束をもって帰ってくれるのは

外に居ても最後に私を思ってくれてるみたいで嬉しいし


その他にも、本や雑誌、ステキな音楽等

私の視野を広げるようなプレゼントが多くって

いつもとても楽しみにしている。


珍しいプレゼントといえば

我が家にはお庭があるわけではないのに

ツツジの木やオリーブの木を買ってきてくれたこと(笑)

我が家のベランダにはツツジとオリーブが

隣り合って仲良く暮らしている(笑)


そんな、彼からの数々のプレゼントの中でも

いちばん心に響いたのは

スイトピーの種だブーケ2


私が昔の恋人にもらったスイトピーの花の種を

ベランダに植えた時も

その種から芽が出ないって言った時も


きっとそのうち芽が出るよ


って、優しく笑ってた夫。


結局その種からは芽が出ないままだった。

そして、そんな事すっかり忘れてしまった頃に

不意に夫がプレゼントしてくれたのが

スイトピーの種だったのだ。


みゆきの花壇に花を咲かせるのは

俺の役目だから


そのひと言がとても暖かく響いて

涙が出そうになった。


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その後、夫が贈ってくれたスイトピーの種は

まもなく発芽して、ぐんぐん大きくなって

びっくりするくらい成長するのだけど


なぜかなかなか花が咲かずにいた。


茎も葉も、時期を終えて痩せてきて

花がつかないままに終わりをむかえつつあった。


そんなスイトピーをベランダに残し

2泊3日の旅行から帰ったその晩


真っ白なスイトピーの花が一輪だけ、咲いていた


月明かりに照らされた

無垢で、可憐な真っ白なスイトピーは

とてもとても、美しかった。


翌朝ベランダに出ると、既に花は落ちていた。


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やせ細り、弱りきっていたスイトピーの茎と葉は

その日のうちに切り戻した。


結局スイトピーの花は

その一輪しか咲かなかった。


月明かりの中で

夫と2人で眺めた真っ白なスイトピーは

あまりにも美しくて

カメラのレンズを向ける気持ちにもならなかった。


私の心の中でだけ密やかに咲き続けてくれれば、それでいい

私にとってあの一輪は

夫の思いやりの証だったように思えるからドキドキ