マスクから覗く涼し気な目をした理学療法士さんとリハビリ。
名札に「主任」の表示があったので「イケメン主任」と命名。(心の中で)
さて、チェックが終わり筋トレです。
イケメン主任、横向きに寝ているわたしに「ちょっと失礼します」とか言っていきなり片手を腹、もう片方の手を背中に置いた。
主任の手で体サンドイッチ。
いきなり何でしょう。
緊張してお腹に力が入ります。
力を入れたところでへこませるには限界があります。
「腹筋、背筋、ほとんどないですね。筋肉が薄いです」
あ、見てたのそこ?
「し、脂肪はあるんですけどね」
つまらない自虐ネタはスルーされました。
「じゃあ、まずお腹へ込ませて10回」
寝転んで膝を立て、お腹へこませ運動をしているわたしの腹の上にいきなり指を三本突き立てぎゅーっと押す。
い、いきなりなんてことを、と動揺するわたしには目もくれず(多分、腹だけ見てる)
「全然、できていません」
と言い放ち、ずさあと自分の手を私の背中、というか腰の下あたりに突っこんだ。
「はいっ、僕の手を押すつもりで」
ひょえーえ。
「押せてません、もっと力入れて。そう、はいあと9回」
しゅ、主任・・・。
なんだこの状況。
腹の上に指、腹の下に手のひら、もう脂肪の量も腹回りもウェストサイズもバレている気がする。
でも、逃げられない。
必死でカウントダウンにあわせてお腹をへこませる。
それから肩甲骨をあげるだけの腹筋。
そしてお尻上げ運動。膝を立てた姿勢でぐーんとお尻を持ちあげます。
「両足くっつけて力入れて」
入れてますよ。
「はい、僕の手を落とさないように」
主任、自分の手で拳骨を作り、私の立てている膝と膝の間に突っ込んだ。
落とさないように、力を入れてやれ、と。
もし、力抜けたら?
主任の拳骨がわたしの股間を直撃?
ち、力を入れるしかない!
すんごく力を入れたね。
主任の拳を膝に挟んで尻の上げ下げ運動をするわたし。
誰にも見られたくないポーズです。
オープンなリハビリルーム、おそらく他にも人はいるであろう。
しかし確認する余裕も勇気もないわたしであった。
この筋トレ、内容は中川家も黒縁眼鏡くんも全く同じでした。
同じだけど違う!
恥ずかしさが。
そして疲労度も。
持ち時間20分そろそろ終了です。 ←理学療法士さんが一回の処方を行える時間は決まっているらしい。
次回はイケメン主任の秘密、です。