理学療法士さんはリハビリを手伝ってくれる人です。
椎間板ヘルニアと診断されたわたしにどんなリハビリが待っているのでしょうか。
「じゃあリハビリしますか」
先生の声に飛びついたね。
「はいっ。お願いしますっ」
こんなにやる気満々な患者も珍しいんじゃなかろうか。
「じゃあ、2階のリハビリルームに行ってね」
リハビリルーム。
なんか急に自分がすごく病人になった気がします。
いや、病人ですけどね。
リハビリルームに行ったら看護師さんみたいな白い上下服の人が数名いた。
ええ、理学療法士さんたちですね。
よりどりみどり?
御指名制?(そんなわけない)
受付で、名前を書いて待つ。
横に並ぶベッドは接骨院を思い出しますが、仕切りカーテンはなし。
思いっきりオープンです。
まず、機械で腰の牽引とやらをしてもらう。
ベッドに寝て、かちんかちんとベルトを止められてただ横たわる。
ぐいーん、と機械が伸びたり縮んだりして腰を伸ばしてくれる。
特に気持ちがいいわけでも痛いわけでもなく、ただ、機械にやられっぱなしのわたし。
そしてついに理学療法士さんに導かれ、ベッドへ。 ←変な意味じゃないよ
室内にいる方、全員、観覧自由です。
まあ、みんな他人のことなど気にしちゃいない。
マスクをしたまま「○○です。よろしくお願いします」と言った理学療法士さんは丸顔っぽくて二重の目が丸く、誰かに似ていた。
あ、中川家。
マスクからのぞく上部分が中川家の弟、中川礼二さんにちょっと似ていると言うだけで「中川家」と任命された気の毒な彼は「失礼しまーす」とわたしを横向きにして背中あたりから順番に押し始めた。
右腰が痛いんですけどね、
一番痛いのは右のおしりです。
そして足首まで痺れています。
自己申告したよ。
「ここですか。4番5番ですね~」 ←骨の位置番号らしい
番号はどうでもいいからもっと力を入れて下さい。
そう言いたいが言えない。
マッサージじゃなくてリハビリだしなあ、という躊躇。
「じゃあ、腹筋しましょう。膝立てて」
普通の腹筋運動は腰に負担がかかるので部分腹筋というものをする。
…終了。
これがリハビリ。
う~ん。
背中や腰や足をさすさすしてもらってちょっと腹筋をマンツーマンでやってもらう。
こういうものなのか。
ふーん。
持ち時間は20分。
これが基本。
そして4週間に1回、整形の先生に診てもらってリハビリ必要だね、こういう症状だからね、って申し送りをしてもらわないとリハビリは受けられない。
そういう仕組みらしい。
とりあえず週3回くらい通ってみて、と先生は言っていたがこれを週3?
さすさすに意味はあるのか。
通うのやめようか。
うまく踏みこめないのですかんすかんって感じで自転車を漕ぎつつ考える。
まあ、続ければ何か御利益はあるのかもしれない。
とりあえずしばらくは通ってみよう、と思う。
で、次回行くと曜日が違うからか、中川家はいなかった。
かわりに「今年デビューしました」的な若い黒縁眼鏡のお兄ちゃんが「お願いします」とやって来た。
もうね、優しすぎる。
押す、じゃなくて撫でている感じ。
「しっかり押さんかい!そんなんじゃ効かんのじゃ!もっとぎゅーっと!特に尻!」
なんて若い男の子に言えるはずもなく「まだ中川家の方が良かった」とつい先日の中川家を懐かしく思った。
立膝腹筋とか、お腹へこまし運動とか、言われた通り家でもやってるからさ、なんかもっと技見せてよ!
ちなみに先生は末梢性神経障害治療剤という恐ろし気な名称の真っ赤な薬を出してくれました。
メコバラミンという怪獣の名前みたいな薬です。
朱赤って感じの色で体に悪そうだ。 ←いや、薬だけどね
まあそんな感じでリハビリ開始です。
…次回、運命の出会いに続く。