拒食症の人の体についての自覚
拒食症の人は、
自分の体に
まだ脂肪がついていると
思っています。
自分の皮膚をつまんでは、
ここに脂肪が
ついていると言います。
拒食症の方を、
診察をすると、
体は脱水症と
脂質不足で、
皮膚はカサカサ
(皮膚には油分が必要です)
筋肉も委縮して、
まさに骨と皮に
なっています。
それでも、
脂肪がついていると
言います。
それは、
「認知の歪み」と言って、
自分の体が
膨らんで見えているせいです。
不思議なんですけど、
ほんとに
実際に
膨らんで
見えてるんです。
原因は脳に栄養が
極端に不足しているためです。
その見方を、
少しずつ変えるために、
診察で、触診する時に、
「この骨が出っ張ってる
感覚、わかる?」
と聞きます。
そうすると、
「分かる。」
「座ると、
お尻の骨が当たって
痛いんじゃないですか?」
と聞くと、
「そう、座るとお尻が痛い。」
と、言います。
そうして、
やせている自分を、
すこし自覚します。
家族の人にも、
撫ぜてもらって、
体が、
どれほど痩せこけているか、
あらためて、
分かってもらい、
その家族の触る感触を
本人も味わいます。
この自分のやせに
関する自覚は、
さまざまな不安のせいで、
自分で注目することは
ほとんどないので、
見えなくなっています。
なので、
こうやって痩せている自覚、
そして病気の自覚を
促していきます。
大事な作業です。