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最新知財ニュースを解説するブログ

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YOMIURI ONLINE
富士フイルム、DHC提訴「化粧品で特許侵害」
2015年08月17日 20時09分
 富士フイルムは17日、通信販売大手ディーエイチシー(DHC)の化粧品「DHCアスタキサンチンシリーズ」のジェルとローションが特許権を侵害しているとして、製造・販売の差し止めと損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。

 富士フイルムは、シミやシワの原因を取り除く色素「アスタキサンチン」を化粧品に安定的に配合する技術などで侵害があったと主張している。

 この問題で富士フイルムは昨年9月、DHCにこれらの商品の製造・販売の差し止めを求める仮処分を申し立てたが、決着していない。

2015年08月17日 20時09分 Copyright © The Yomiuri Shimbun


■特許権の侵害への対応
①差止請求
②損害賠償請求
③不当利得返還請求
④信用回復措置請求
⑤刑事告訴

今回、特許権者である富士フイルムは①と②の対応をしています。
損害賠償請求については、特許法に過失の推定規定があり、
被告であるDHCが侵害物品である化粧品を販売した個数に応じて
損害額を算定することが認められています。

記事では仮処分申請をしてから一年以上立って決着していないとなっていますが、
本来、仮処分とは権利の保全のために訴訟に先立ってなされるものです。

以下の記事にあるように緊急性がある場合には即日認められる場合もあります。
http://qa.itmedia.co.jp/qa7706957.html

仮の地位を定める仮処分命令は、争いがある権利関係について債権者に生ずる著しい損害等を
避けるためこれを必要とするときに発することができます(民事保全法23条2項)。
1年以上、仮保全の決定がされなかった場合、特許権者である富士フイルムには
少なくともライセンス料相当額の著しい損害が発生すると思われます。
決着していない=保全異議の申立てがされているということかもしれません。