「ともし火をともして、それを器で覆い隠したり、寝台の下に置いたりする人はいない。入ってくる人に光が見えるように、燭台の上に置く。」
下手な悲劇俳優たちが独りでは歌うことができないで沢山の人々と一緒に歌うように、ある人たちは独り歩きができない。君よ、もし君がひとかどの者になりたいならば、独り歩きをし、君自身と語りたまえ。そしてコーラスの中に隠れぬがよい。君が何びとであるか解るように、ひとつ嘲笑されたり、見られたり、ゆすぶられたりしてみるがいい。
栄誉というものを私は極端にまで好まぬとはいえ、また敢えて言うなら、何ものにも増して尊重するところの休息の敵としてこの栄誉というものを見る限り、私はこれを嫌いさえするのであるが、自分の行動を罪悪ででもあるかのように隠蔽するとか、知られずにいるようにむやみに用心したりすることは決してなかった。