母が亡くなってもうじき2ヶ月になる。
死んだことが無いので死後の世界とか分からないけど…人が亡くなる前に「誰かに呼ばれているのか?」…そう感じた事が何度かある。

祖母が亡くなる前に病院で「おっかやん、おっかやん…」と口にしているのを目の当たりにした時、そして、母の兄が亡くなる前に病院で、首を横に振り、天井に向かってバイバイしていた時、そして、母が病院で口にしたのは…「今、何か言ったか?お母さんを呼んだか?」と、何度か訊いてきた。-お母さんが誰かに呼ばれている-はっきりそれを悟った瞬間だった。

昨日、私は主人とディズニーシーに行っていた。
マーメイドのショーを始めて見た。
子供の頃憧れていたマーメイド。
童心に戻ったかのように、マーメイドと目が合い手を振りあったりした。

そんな中、何度か着信をしていることに気が付いたが、またセールスか何かだろうと想い確認までしなかった。日が暮れてからスマホを見たら、着信の相手が父だと知った。電話をしたが留守電になってしまったので、メッセージだけ残し明日電話すると伝えた。

そして、今日電話をすると…昨日の出来事を話し始めた。
父は母が亡くなった後、父のゴルフ仲間の1人を亡くし、その後、親戚の1人も亡くなり不幸続きだった。
そして、昨日、親戚のお墓と母のお墓にお線香をあげにいったそうです。
父が話したかったのは、その母の墓参りをしているときに起こった不思議な体験だった。
母のお墓に線香をあげていた時、右手の通路の方に人の気配を感じ目をやると、深いグリーン色のシャツを着た人が歩く姿を目にしたそうだ。お墓に来ている人が父の他に居なかったので、何処のお家のお墓にお参りに来たのか気になって見ていたら、次の瞬間隣の家の墓石に隠れて見えなくなり、次の瞬間墓石の合間から見えるだろうと思い観ていたが、姿が見えないので、通路まで出て周りを見渡して見たが、誰も居なかったと言う話だ。
「身長はそんなに高く無く、男か女かも分からない」そう言うのだ。「あれはもしかしたら、お母さんだったのかも?」と父が言うので…「それ、お母さんじゃないよ!」と私は言った。「お母さん、そんな深いグリーンのシャツなんか着てなかったでしょ!」と言ったら「うん。」と父も言った。
私は「お父さん、幽霊を観たんだ!」と笑った。
そして、私が父に言ったのは…
それ、「◯◯さんだよ!」「◯◯さんの生き霊だっ!」

◯◯さんとは…私の主人だ。

昨日、深いグリーンのTシャツを着ていた。
勿論、ずっと主人は私とディズニーシーに居たので、実家の近くのお墓になど行ってはいないのだ。

でも、背格好から言って主人に間違いない。
お父さんの事を心配してくれているのが分かるから…主人に間違いないと想ったのだ。

でも、父との電話を切った後に、主人にその話をしたら、あまり良い顔はしなかった。
まぁ、'生き霊'なんて言われて喜ぶ人間は居ないだろうが…私はなんか有難い気持ちと、主人に対して、もっと大切にしなければいけない気持ちになった。









あまり眠れなかったが、5時半ごろから足をマッサージしてあげたりして、6:30頃病院を出た。

病院の裏にある小さな公園で、私の車と平行するように白鷺が一羽飛び立った。
とても美しかった。

秋山川の桜が開花しているのが遠目でも確認できて、「早起きは三文の徳」とはこういうことだなと思った。

千鳥ヶ淵の桜をTVで見て、恋しく思った。

今日も天気は良いようだ。
毎日、毎日…ただその時を待つだけなんて…コレこそ不幸というものなのか?

身体が自由に動かない、声を出すのも、食べ物を飲み込む事さえしんどい状態。残された時間さえ何の楽しみも無く、ただその時を待つだけなんて…。

観ているのが辛い。
しんどい顔を目にするのが辛い。
不機嫌さを感じるのがとても辛い。

もう、私がしてあげられることも少ない。
食べるのを手伝ってあげたり、入れ歯を洗ってあげたり、薬を吸い飲みで流してあげたり…もう、自分では起き上がれない。病院の電動ベッドの動きに合わせるしかない。食べる量が少ないから排泄も少なく、足が重なった所が床擦れのようになってしまって、マッサージも痛がる。
何もしてあげられない事が悲しくて仕方がない。

いろいろ話がしたかったけど…声を出すのもつらそうなので会話も出来ない。

ただ、ただ、その時を待つだけなんて…。