春、

伯父が一緒にNYに行くと言う。

マンハッタンに住む従姉妹を

訪ねる予定でいた。

…。


『従姉妹をいつか紹介する。』


彼は覚えているだろうか?

そう約束していたSを思い出した。

NYの彼から、

一度だけメールが来た。


《中国系アメリカ人の女性と

 付き合っていて、結婚する予定だ。》


遠くなってしまったSとの距離が

ずっと、

深いところまで

離れてしまったことを実感した。


(もう、連絡はしない。)


彼が努力した時間に

M由は辛くなるだけだから。

話を聞くことが悲しいのなら

もう会えない気がした。

大事な思い出を封印していく。

少しづつ…

笑った時間を

楽しかった思い出のままで

壊したくなかった。

友達を失っていくことで

守りたい。

もう、M由は会えない。

誰にも会いたくない。

今のM由を知らないままで

みんなと会わずに

いなくなってしまいたい。


春のNYは…彼との別れになる。

彼と会わないことで、

M由の学生時代の思い出が

また一つ…終わってしまう。


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