初めてNYに行ったのは夏だった。

まだ若くて

見るもの全てが新鮮だった。

2度目は、冬のNYで

空港に着くと

ホワイトクリスマスだった。

BWでKちゃんと

ミュージカルを見て

ワインを片手に夜通し話した。

あれから幾度も季節が巡って、

GmSで働く友達を訪ねて

再びNYに向かっていた。

ピアのレストランで

久しぶりに会った彼は

見違えるほど素敵に見えた。

ロエベのバッグにグッチの靴が

彼の成功を感じさせて、

M由はすごく気後れしてしまう。

ブルーの

ノースリーブのワンピース。

ブルックリンのマーケットを

彼と歩きながら、

大きな声ではしゃぐ自分の

華やいだ気持ちに気づいてた。

好きな人とのデートのようで

隣にSの影を

感じていたんだと思う。


(この感じは…?

 錯覚している…。

 まだ、

 忘れることなんて出来ないよ。)


ふとした瞬間に引き戻される。

好きな人と過ごした時間。


(もう…

 失くしてしまった時間なのかな?

 M由はずっとSを

 忘れることは…ないんだろうか?)


眩しい夏の想い出。


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