『あの家に僕のお客は呼ばないんだ。』


って言うS朗の言葉は

少し寂しそうで余計に

M由の心が痛かった。


近くて遠いK田さんの家

知っている?

それでも、S朗はやっぱり

呼んでいたんだよ。

自分のお家だって…

思っていたんだと思うよ。

S界QS教のご夫婦が来た日

M由はすごく寂しかった。

T剛さんのお姉さんが来た日も

すごく切なくなった。


「七輪で振る舞うんだ。」


って、七輪を買って…

一緒にラムチョップを

買いに行きながら

M由はやっぱり、羨ましかった。

だって、


「七輪を買って、

 焼き物をしたい。」


って言ったのはM由だったんだよ。


(S朗、忘れちゃったんだろうな。)


時々、S朗の記憶は

M由と家族とゴッチャになっていた。

バイクの免許を取りたかったのも

自転車を趣味にするって言ったのも

M由だったのに。

全部、忘れちゃうんだ。


M由は、家族にはなれないし、

いつも部下だって…紹介されていた。

当たり前だったけど、

やっぱり寂しかったよ。

だって、みんな変な顔してた。

8郎さんもT剛さんも。

野田S子も赤坂のママも。

歳の差って縮まなかったね。


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