今年の7月からコンビニで発売されると宣伝されていたソフトカバーの「日本国憲法」。改憲の気運が高まっている中、多くの人に読んで欲しいという出版者の思いから新しい版として発売されたとのこと。品切れなのか、近所のコンビニで見かけなかったため、書店に行ったついでに購入♪従来の硬表紙のものと違い、ソフトカバーになったおかげで、寝ころびながらでも読みやすいです(笑) 


日本と世界を愛する人々へ-日本国憲法(小学館)



漢字にはふりがながついています!しかも活字が大きい!まるでお子さま向けの絵本の活字のような大きさです。漢字の苦手な人やお子さまから、小さい文字が苦手な年輩のかたまで、幅広い読者層にやさしい作りとなっておりますね。


日本と世界を愛する人々へ-日本国憲法(小学館)

さらに、憲法中の語句の意味を説明してくれる欄までページの下段に設けられています!下写真に見える「主権」「恵沢」など、特にお子さんなどにとり難しい言葉もこれでバッチリ?

日本と世界を愛する人々へ-日本国憲法(小学館)

しかも、後ろのほうのページには旧憲法である大日本帝国憲法まで印刷されています。この小さな一冊で新旧の憲法を見比べることができるとは便利です。


多くの皆様もご存じかと思いますが、今の「日本国憲法」について簡単に説明してみます。今の憲法は大東亜戦争(=第二次世界大戦)終戦時、日本を占領していたGHQ、つまりアメリカ人らにより約一週間ほどで作られたものです。


一方、旧憲法(=大日本帝国憲法)は、日本の初代総理大臣である伊藤博文氏が中心に何年もの歳月をかけてじっくりと練られた結果生まれたものです。日本という国の風土、伝統なども含め、日本とはどんな国なのかをじっくり熟考されながら、日本人の手によって慎重かつ丁寧に作られました。


さて、第二次安倍内閣が改正を目指しているという問題の日本国憲法・・・

短時間で、それも外国が、チャッチャと作ってしまった憲法であるという事実だけでも大問題なのは説明するまでも無い気もしますが・・・。

しかし、具体的にその内容の何が問題なのでしょうか?

せっかくなので、今回は「前文」だけ抜粋してみましょう。



< 前 文 >


日本国民は、政党に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。


日本国民は恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する


われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。


日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。


----------< 引用はここまで >-----------------




まず、赤文字にした部分は、安倍総理が以前から問題を指摘してこられた部分です。この箇所を分かり易く言うと、いわばこんな感じの意味にならないでしょうか?

     ↓

「ダメ国民である日本人に比べ、諸国民は平和、公正、信義に優れて信頼できます。だから私たちダメ国民である日本人は自分の安全や命を自分の手で守ってはならず、信頼できる諸国民によって守ってもらおうと決めました。」


そんな素晴らしく頼れる良い国があるなら、具体的にどこの国のことなのか教えていただきたいですよね・・・。



一方、青字部分は私個人が気になって青く目立たせた部分です。いずれも、意味をかみくだくとこんな感じになると思います。

  ↓

「日本は平和を乱す偏狭な国であるが、国際社会は平和や差別をなくそうと努めてきたし、人類みな平等を謳ってきた。ダメな日本はこのような素晴らしい国際社会で認められるよう努力すべき。」


この部分も「え…?」と感じる文章です。この憲法を作ったアメリカを含む欧米列強が白人優越の世界を作り出し、有色人種の国々を植民地としてきたのです。そんな差別に満ちた世界の中、初めて人種差別の撤廃を提唱し、自らが命がけで闘い、まるで厚い氷を割りながら進む砕氷船のように白人上位の世界に先頭を切って飛び込み、自らを傷つけながら、有色人種の国々が対等な外交をできる世界に変えた国こそ日本なのに、まるで真実が逆であるかのような書き方となっております。


もっと短く言うと「日本だけは悪い国だけど、諸外国は良い国ばかり!」という大前提のもとに書かれている憲法にも見えてしまいますね。


今回は、最初の「前文」だけをご紹介しました!

この後の本文のほうはどうなっているのか楽しみですね。

皆さまも購入なさり、お読みになってみてはいかがでしょうか? 

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