この物語は、BL創作物語です。
登場人物は、実在人物とは無関係です。
徐々に明るさを取り戻してきた耀を
ぼちぼち外へも連れだすようになった
以前は片時も離れるのを嫌がった彼も
僅かな時間なら不安がることなく
待っていられるようになった
「待たせたね、ごめん」
優の姿を見た彼の表情は
一気に花が開いたように明るくなる
そんな笑顔を見るたびに
優はなんだか胸がきゅんっとなる
それでも
少し長く放っておかれると
すぐに拗ねて指をしゃぶる
「いつまで拗ねてるの?」
「・・・」
「ほら、笑ってくれたら
いい子いい子してあげるよ!」
にこっ
「うーん、よしよし
いい子だね~」
子ども扱いしてるって思うかもしれないけど
これも僕なりに調べたんだ
幼児返り(幼児退行)
過度の不安やストレスによる心の防衛
自分を守るための無意識の行為
症状:赤ちゃんのように甘える
くっついて離れない
自分でできていたことをやってという
指しゃぶり・おねしょ
など
対処:不安を取り除き安心させてあげる
だから
幼児返りしてるような彼の行動に
僕はいつもこうやって ご機嫌を取る
見た目ではわからない不安が
彼をそうさせているのだと
だから ”もう大丈夫だろう”なんて
油断してはいけないと思った・・・
つづく
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