番組制作経験者ゼロ、ろくな機材もなく、市の体育館のトイレ脇に設置された“局”で毎日、文字どおり手探りしながら町民のためにラジオ番組を流す。
幼稚園の運動会に取材に行ったり、有名人からコメントをもらったり。
子供たちに明かりをとクリスマスイベントを企画し、車で1時間半の隣町へ買い物へ行く。なんてことのない普通のイオンだがクリスマスムードの店舗に女性スタッフの顔は輝く。
ツリーなどを買い込んだあと、津波の爪跡が生々しい自分の町に戻って来た時の気持ちはいかほどかと、胸が痛んだ。
2012年3月末までの限定開局なのに「もっと何かできるはず」と「出発式」を企画する。震災で結婚式ができなかった人や思い出の写真が流されてしまった人のために、新しい門出の式を。
この人たち、本当に制作の素人なんだろうかと驚くほどの企画力、実行力。本当に被災者なんだろうかと思うほどのバイタリティ。そう。みんな被災者。“家”は狭い仮設住宅だ。それでも「自分たちだけのスペースは落ち着く」と笑顔を見せる。
そんな彼らに励まされる住人も登場する。今も娘と孫娘が見つからずにいる1人暮らしの女性が、「音がないと寂しいですから」とラジオを見つめる姿には、もう、言葉も出ない。
震災から2年以上が過ぎた今だからこそ、継続した支援のためにも、“被災地”に今も人が住み、頑張って生きていることを忘れないために、この映画が上映されてよかったと思うし、自分も見てよかった。
本作の上映の収益は被災地への寄付にもなるそうです。ご都合がついたらぜひ。絶対、お勧めです。
公式HP:
http://www.311movie.com/intro.html
東京ではヒューマントラスト渋谷でやってます:
http://www.ttcg.jp/human_shibuya/nowshowing