広西省税務局による偽造発票への取締り強化
先日、広西省衛健委・薬監局・公安庁・財務庁など10部門合同の発表文書《広西チワン自治区2019年医薬品販売分野および医療サービスにおける不正是正業務要点》(以下《業務要点》)が出された。
《業務要点》では、医薬品業界の偽造発票といった税務に関する違法行為を厳しく罰するために、広西省税務局は医薬品プロモーション活動において生じた重大違法案件に対する専門検査部署を立ち上げ、税務上の取り調べ・指導を行うと明記されている。
2019年6月、財政部は国家医保局と合同で、2019年度医薬品業界会計データ品質検査を実施した。製薬企業に対して財務検査を行い、多くの地域がこれに倣う形を採っている。上記江西省の対応もこれに倣うもので、細部に渡り違法行為が具体化されている。
特定管理項目を設定
《業務要点》では、以下のような「特定管理項目」が明記されている。
・医薬品を「一般名」で処方するよう要求
・患者が院外薬局で医薬品を購入するよう誘導する行為を厳しく禁止
・MRは病院内で事前登録しなければならない
・MRの病院内における接待プロセス・制度を規範化
・処方権限、承認手順、院外購入医薬品の病院内使用や安全保障等といった問題点に関する、院外購入医薬品の監督・管理の強化
・公立病院が薬局のアウトソーシング・業務委託を行うことを制限
上記の「特定管理項目」は、2019年12月末までに管理体系を構築するスケジュールになっている。
また2019年11月末までには、医学協会・医療機関・医療従事者および関連企業間の学術会議、研究提携、学術支援、寄贈援助行為に対する規範が定められ、医療従事者は医療機関の承認を得ていない学術推進等の活動に参加することはできなくなる。
公安庁も着手、商業賄賂の取り締まり
広西省は医薬品の供給・販売に関する違法行為に対して、厳格に対応する方針だ。医薬品・医療用消耗品・医療設備の購買業務について、今後規範化作業を行う。また、医薬品・消耗品の生産企業や医療機関に対して、発票内容等の検査を拡大し、虚偽発票や脱税等の違法行為を厳しく取り締まる。賄賂やマネーロンダリングなどの犯罪行為を撲滅し、業界の秩序を守る方針だ。
医薬品販売或いは医療サービス中に発生した刑事事件については、法律に基づいて処理するため、広西省公安庁が各地公安機関の指導を行う。自治区市場監管局は、医薬品分野における不当な競争案件の調査強化を受け持つ。
2019年7月に、国家衛健委・工信部・公安部・税務局・商務部など9部門が合同で《2019年医薬品分野および医療サービスにおける不正是正業務に関する通知》を発表して以降、全国各地で商業賄賂や虚偽発票などの取り締まり強化が、次々と行われている。医薬品業界に関わる者は、これらの違法行為が常に危険と隣り合わせであることを、肝に銘じておくべきである。
以上