Mr.GENの「中国」視点・論点

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読者の皆様方ご存知のとおり、去る12月14日中国共産党の第18回党大会、今後5年間の指導部となる新しい中央委員や中央委員候補計376人を選出して閉幕しました。

胡錦濤さん(総書記)が退任。最高指導部の9人(政治局常務委員といいます)のうち、習近平国家副主席と李克強副首相の2人を除く胡錦濤さんや温家宝さん(首相)ら7人が引退しました。


15日に開かれ新たな中央委員らによる第18期第1回全体会議で、習近平さんが総書記に選出され、10年間続いた胡錦濤体制に代わって、習体制が発足しました。




第18回党大会で注目したいのは、より持続可能な成長モデルへの移行が強調され、2013年における経済成長の質と効率性の向上経済改革の深化都市化の進展財産に対する規制強化などが誓われたことです。


党大会では2013年の経済成長目標値ははっきりとは示されませんでしたが、最低でも 7.5%は目標設定しているのではないかというのがもっぱら見方です。



今後注視されるキーワードは「経済改革」と「質的に高い成長」でしょう。

党大会で「中国経済の最も重要な課題はもはや成長率ではなく、質と効率性である」と強調されました。


中国政府は次のような認識をもっているといわれています。

ア)質的成長を実現するためには、国内需要の拡大を2013年における中国発展の戦略的礎としなければならない。

イ)EUや米国などの貿易パートナーが深刻な累積債務危機をかかえているなかで、従来の輸出依存型経済を改革・再構築しなければならない。

ウ)新たな成長の種は国内消費に宿り、国内消費こそが持続可能で健全な経済発展の強力な牽引力である。


ちなみに、「都市化」は国内消費拡大の主な牽引役として考えられており、2013年の要注視事項の一つでしょう。



しかし他方、「掛け声だけの眉唾もので、当面は何も変化は期待できないであろう」との冷めた見方も少なくないようです。

中国の成長戦略は、依然として、消費を上回る投資志向であるというのがその理由の一つのようです。




最近、中国社会科学院が、過去10年間で経済不均衡が著しく悪化している旨の報告(いや、むしろ警告)を行ったそうです。

勿論、中国政府当局もこの問題を十分認識しており、成長モデルの改善を繰り返し約束してきています。中国国民の期待が高まっているなかで、新指導者がこの期待に応え得るかどうか・・・。



多くの中国国民は、本音としては、共産党一党独裁の特権体制が崩壊する、あるいは崩壊しないまでも弱体化して、民間部門により多くの機会が与えられ、国有企業と他との格差が是正されることを期待しているという指摘がありますが、否定できません。



その際には、いわゆる「所得分配」の改革がキー・ポイントであると言われています。

ちなみに、温家宝さんは同改革について2004年から言及し、数ヶ月にわたり繰り返し国内プレスに発表し、改革案の年内提出を約束してきたということです。



しかし残念ながら(というか、やっぱりと言うべきか)、国有企業からの反対で、改革案の最も重要な部分が骨抜きにされ、ないしは完全に削除されたとも聞きます。

さらには、”特権的利益集団”からの反対もあり、同改革案の年内策定は無理ですね。


習近平さんと李克強さんの新トップ2が2013年に独自の改革案なるものを出してくるのではないかという危惧が中国国内の専門家にあるようです。

いずれにしても、国民の期待を裏切る形でこの課題を処理すれば、習近平新体制にとっては由々しき危険性を呼び込むことになるでしょうね。(了)