初音ミクの揺らぎ | ちんちくりん的視点 “warped view”

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冨田勲が宮沢賢治の世界を
音楽で表現した「イーハトーヴ交響曲」

その制作から初演までのプロセスを追ったドキュメンタリー
「音で描く賢治の宇宙~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~」が
ETV特集で放送されました

宮沢賢治×冨田勲×初音ミクという
ワクワク(・∀・)する顔合わせ☆

世界のイサオトミタが、賢治の世界を
音楽でどのように表現したのか、
初音ミクがどんなパフォーマンスを演じているのか、
とても興味を惹かれます

賢治の織り成す超時空異次元的世界観、
それを表現するのに、冨田勲×初音ミクという組み合わせは
これ以上ないもののようにボクには思えます

短絡的すぎるかも知れないけれど、
賢治がいなければ、銀河鉄道999はない、
ヤマトもガンダムもなければ、エヴァもなかったかもしれない

冨田勲がいなければ、YMOもPerfumeも、、、

そう考えていくと、彼らがいなければ、初音ミクさえ存在していなかったのかもしれない

ミクにとって、彼らはいわば、
父であり母のような存在と言っていいのかもしれない

少なくとも、ミクが彼らのDNAを引き継いだ存在であることに、間違いはないでしょう

パソコンの中では、自由自在に変化し増殖され再生されるけれど、
実体のない2次元世界だけの歌姫

その不思議な存在感は、
賢治の異空間を表現するのに相応しいという着眼に、
禿げしく同感です☆

しかも、生のオーケストラ、コーラスと共演するという、、、

日常の中の非日常、現実の中の幻想、
生の楽器や肉声の中にあってこそ、
ミクの特異な存在感が際立つということなのでしょう

でもこれは、指揮者のタクトに合わせて「演奏する」ということであり、
あらかじめ作られたシーケンスに従って「再生する」のとは、わけが違う

オーケストラの演奏にドンカマ(テンポを決めるクリック)はありません

指揮者の感情の変化に反応し、合わせ、他の演奏者と一体となって、
ひとつの音空間を作り出すということ

そんなことが技術的に可能なのか、、、?

「今これができれば、電子音楽のこれからの可能性が大きく開けることになる」
と冨田先生は言います

「かりそめのボディ」であるミクは、しかし、これによって
用意されたプログラムをくりかえし再生するオルゴール人形から、
(人の手によってではあるけれど)リアルタイムに演奏することができる
パフォーマーへと進化することになります

ミクの歌の中に、インタラクティブな
感情の「揺らぎ」が加わるのです

より人の感情表現に近づくミク

それが旧来のミクファンたちにとって
諸手を挙げて歓迎できることなのかどうか、
それはボクにはわからないけれど、
音楽表現の幅が広がったことは間違いないよね☆

さてさて、そんなわけで、
予約したCDは明日あたりには届くかな?
そのレビューはまた後日(・∀・)♪



※ちなみにこのETV特集は、土曜日の深夜に再放送されるみたいなので、興味のある人は是非に☆



〓ちん〓



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