「百鬼夜行抄」今市子
文庫版 1~10巻
まだまだ続いております
あらすじ
亡き祖父から、普通の人間には見えない妖魔を見る不思議な力を受け継いだ主人公。
しかし見えるだけでそれをどうこうする力はない主人公は、妖魔と出会うたびに面倒事に巻き込まれていく…。
ってなお話です。
ホラー要素のあるコメディーです。
主人公がかなり無気力そして出てくる妖魔も可愛らしいのから怖いのまで様々です
脇を固めるキャラクター達もどことなくゆるくて憎めない人ばかり
ほとんどが一話完結。
現代の主人公のかかわる話だったかと思えば、次のお話では主人公のおじいちゃんとおばあちゃんの出会いの頃の話にいったり…なのでおもいっきり脇キャラのはずのおばあちゃんまでも愛しくなる作品です
因みに私が今のところ一番好きなお話は…
文庫版1巻に載っている「目隠し鬼」
いきなり1巻から心鷲掴みされちゃいましたので、興味がわいたら呼んでみてくださいな
3巻の「凍える影が夢見るもの」も好きです
多少綺麗事かなーとも思いますが、罪と罰、恨みと許し…人の恨みの気持ちって凄く怖いけど、人が人を許す気持ちってのも強いものなのかもしれないな……なんて思えるお話です
4巻「行李の中」なんかは、人でないものと人とのちょっと悲しい愛情のお話…かな
人と人でも難しいんだから、妖魔と人ではそりゃ難しいですよね。でも心温まるお話です
で、少し怖いのが「人形供養」
これは…怖いです少しずつあらわれていくズレと、不自然な家族と、不気味な人形…
もう、出てくるアイテムだけで気味が悪いです…。
このお話はキャラクター皆素敵なのですが、私のお気に入りはお母さんの絹子さんです。
不思議な力を持つお父さんの血をひいて、兄弟皆それぞれ認めようとはしないけどへんなものを見てしまう体質があるのだけれど、絹子さんは鈍いのかなんなのか「本当に自分には見えない」と思っています。…多分。
ちょっと掴みどころがなくフワフワした人柄ですが、やっぱり何かを感じているとしか思えない行動をよくします
「言霊の木」や「雪路」によくあらわれてますが、それらの行動も全部に思いやりとか優しさがあって、こんな人間になれたら素敵だなぁと読むたび憧れます
私の理想の女性像の一つです
文庫版で集め始めてしまったからには、文庫版の新刊が出るのをひたすら待つばかりです…