「翔ちゃんも?え?何で?」
「何でって…宝物…だから?」
鼻の頭を掻きながらそう答える翔ちゃんの顔と耳は自販機のライトでも分かるほど真っ赤だった。
俺もドキドキが止まらないままお金を入れて出て来た炭酸飲料を翔ちゃんに渡した。
「サンキュッ。」
プルタブを開け飲んでる翔ちゃんの首筋に光る汗が見えてさらに鼓動が早くなった。
「雅紀は?」
俺は良いよ。と言うと黙って俺に飲んでいた缶を渡してくれた。
またドキドキしながら一口飲んで翔ちゃんに返した。
「翔ちゃん、おっ俺もね、アレ宝物なんだ。あの日からずっと。翔ちゃん、あのね、俺。」
「待って。」
俺がその先の言葉を言おうとした時翔ちゃんが『stop』の合図を目の前に出して飲み終わった缶をゴミ箱にカランと入れた。
「ご馳走様。」
そして俺の唇にそっとキスをした。
え?え?びっくりして翔ちゃんを見た。
「好きだよ。俺、雅紀が好きだ。ずっと前から。たぶん幼稚園でお前を見たときからずっと。」
「翔ちゃん、それ、本当?」
「本当。だからキスしたんだけど?」
「あ、うん。俺も翔ちゃんが好きです。」
恥ずかしくなって下を向いて答えた。
「え?何?聞こえな〜い。」
意地悪く翔ちゃんが言った。
「俺も翔ちゃん好き!」
フワッ
翔ちゃんが抱きしめてくれた。
「じゃあ、キスしていいよね?」
俺がうなずくとまた翔ちゃんの唇が重なってさっきより長く柔らかな温もりを感じた。
お互い名残惜しい気持ちで離れると俺のスマホに着信が入った。
「やっば!母ちゃんからだ。」
「あっごめん!こんな時間か。じゃあな。また連絡する。」
翔ちゃん家を出てから間もなく1時間経とうとしていた。もうすぐ日が変わる。
「え?翔ちゃん歩いて帰るの?大丈夫?たぶん父ちゃんは飲んじゃってるかと思うから母ちゃんに車で送ってもらおうか?」
「大丈夫だよ。なんならタクシー呼ぶし。たった今キスした恋人の親に送ってもらうのは恥ずいよ。雅紀の母ちゃん勘が鋭いしな。」
翔ちゃん、恋人って///////。俺も恥ずいじゃん。
「そ、そっか。じゃ気を付けてね。」
月夜に照らされた翔ちゃんの後姿を見送って俺も家に帰った。
部屋のベッドに転がってそっと唇に触れた。
翔ちゃんとキスしちゃった。
一緒の布団で寝たり一緒にお風呂に入ったりしたことはあったけどキスは初めてだった。
それに恋人って言ってくれた。
あれ?翔ちゃん今付き合ってる彼女いなかったのかな?あんなに優しくて格好いいのに…。今度会った時聞いてみよう。
高校最後の夏に俺はついに初恋からの長い長い片想い?を実らせた。
4年ぶりの花火とママチャリを2人乗りして帰った夏の夜。
ずっと忘れない。
この気持ちも俺の宝物になった。
部屋の窓を開けて空を見ると月は建物に隠れて見えないけど光り輝く星が見えた。
耳を澄ますと虫の音が聞こえ秋の訪れを知らせていた。
翔ちゃん、またママチャリで会いに行くからね。
だって翔ちゃんから借りたTシャツ返さなきゃじゃん。
またきっと借りちゃうと思うけど。
fin.
.。*♡.。*♡.。*♡.。*♡.。*♡
雅紀の青春Summer storyでした〜🤭
連日、目を耳を塞ぎたくなるNEWSが続いてるよね。
納得が行かない
悔しい
悲しい
何も出来ず不甲斐ない
そんな気持ちが続いてる。
でもそんな中、大好きな相葉くんの笑顔が見れてどれだけ救われたか。






この模様はVS魂最終回で放送かな?
奇しくも櫻葉の結婚発表日の9.28
なのでした〜
読んでくれてありがとう
ぶいちゃん