朝、翔ちゃんからLINEの着信が入った。
『雅紀、今日花火上がるぞ。来るだろ?』
『ウン!行く行く』
『じゃあ7時にな。』
毎年恒例の花火大会が今年、4年ぶりに開催される。
この花火大会は幼稚園からの幼馴染み、翔ちゃん家のベランダからいつも見ていた。
翔ちゃん家は家から自転車で20分位の高台の住宅街にある一軒家でめちゃめちゃ眺めが良いところ。
お父さんが会社の専務?常務?つまり偉い人だから家も俺ん家より立派。
でも家族みんな優しくてとっても良くしてくれて今でも家族ぐるみの付き合いなんだ。
幼稚園の頃、俺は徒歩通園だったけど翔ちゃんはバス通園だった。
一学年上の翔ちゃんは徒歩通園の俺より早く幼稚園に着いていて上手く上履きが履けなかったり体操着を逆に着てしまった時とかいつも側に来て面倒見てくれた。
そんな翔ちゃんに母ちゃんも担任の春菜先生もいつも「翔ちゃん、今日もまーくんを宜しくね。」なんて言ってた。
今でもたまに幼稚園の話になると「何で翔ちゃん俺に優しくしてくれたのか不思議なんだよなぁ。」って言うと
「だから女の子に見えたし、お前鈍臭かったからだ!」って顔を真っ赤にして言うんだ。
翔ちゃんのおかげで幼稚園は楽しかった。
卒園しても小学校で会えると思った翔ちゃんはお受験で違う学校に入学してしまった。
翔ちゃんとの幼稚園最後の日に俺は翔ちゃんに手紙を書いた。
俺の大好きな緑の折り紙の裏に
「しょうちゃんへ
そつえんおめでとう。いっぱいあそんでくれてありがとう。
しょうがっこういってもぼくのことわすれないで。またあそぼうね。
まさきより」
やっと書けるようになった大きさバラバラの文字で一生懸命に書いてそれを「やっこさん」に折って翔ちゃんに渡した。
翔ちゃんがありがとうと受け取ると「俺もまさきにコレ。」
大きく「まさきへ」と書いてある少し歪なチューリップの形をした赤い折り紙をくれた。
大事に持って帰って開くと
「これからもまさきはおれがまもる。やくそく。ずっといっしょだよ。しょう」
すっごく嬉しくて、けど寂しくて布団にくるまって大泣きしたのを今でも覚えている。
そして約束通り翔ちゃんは卒園してから違う学校に進んでも電話やLINEをしてくれて会うこともしてくれた。
翔ちゃんと出会って14年
高校最後の夏休み受験生の俺にとって今日の花火大会が何よりも楽しみだった。
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こんにちは。
ちょっ〜と違うお話を書いて見たくなっちゃった💦
先日ドリカムの曲を聴いて櫻葉❤️💚が浮かんじゃった
寄り道しちゃうけどお付き合いしてもらえたら嬉しいな
夏の終わりの青春って感じかな



では
ぶいちゃん