最初こそあ然としていた雅紀だったが
「全く一人暮らしで良くもここまで散らかるよね。」
などとぶつくさ言いながら手際よく俺の脱いだ服や散乱している本、食べっぱなしの菓子袋などを片付けていた。
「お前が急に来るからだろ。普段はもう少し片付いてるぞ。」
なんて言ったものの買ってきた酒やツマミを用意しながらそんな雅紀の姿を目にして一緒に住んだらこんな感じなのかと思った。
「どうだか。ま、彼女がいないのは間違いなさそうだから安心した。」
独り言だったのかはたまた俺に聞こえるように言ったのか分からないけど雅紀の安心したと言うのはどう言う意味だったのかその時は深く考えなかった。
「「メリークリスマス!!」」
クリスマスと言いながら普通にビールやらハイボールで乾杯するあたりはただの飲み会じゃないか。
「20歳過ぎの男2人でクリスマスを祝うのもどうだろな(笑)お前なんて誘われてもおかしくないのに。」
「俺はこっちの方がいいの。翔ちゃんはやっぱり女の人と過ごしたかったの?」
「いや、俺はもうそう言うの面倒だから。」
これまで彼女が出来ても長く続いたことがなかった。何か足りない気がしていたし俺の中でしっくりするものがなかったからだ。
でも何故だろう雅紀といると俺の何かを埋めてくれてずっとこのままでいたい気持ちになる。
これって…
「そう…なんだ。」
少し寂しそうに見えたのは気の所為だろうか。
「翔ちゃん…、俺翔ちゃんの事好きだよ。」
そう瞳を潤ませて甘い声で言ったのはお酒が入ってる所為だろ?
「雅紀、酔ってる?」
「ううん、酔ってないよ。初めて会った時から好きなんだ。ずっと前から…。」
雅紀からの告白に驚くと言うより安堵した。
「雅紀。」
俺は雅紀の隣にそっと座り肩を抱いた。
「俺も雅紀が好きだよ。」
瞳を合わせそう言ってピンク色の薄い唇に自分の唇を重ねた時、とても懐かしく大切な何かが記憶の奥にある気がした。
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もう、お正月ムードの世の中だからこのタイトルがお恥ずかしい
ぶいちゃん