「まだ会ったばかりだけどすっげー好きなんだ。」
「そう…なんだ。」
マサキが俯いて呟いた。
「マサキ、キューピットなら協力してくれる?」
「え?う、うん…翔ちゃんがそう言うなら…。」
「カップルにする成功率高いんだよな?」
「う、うん。でも…。」
「マサキが好きなんだ。」
「え?!」
再びマサキと目が合った。
「マサキが好きだ。」
「俺も…俺も翔ちゃんが好き。」
マサキの潤んだ瞳からポロリと涙が溢れた。
俺は肩を抱き寄せ少し震えてるマサキの唇に自分の唇を重ねた。
そっと唇を離すと
「ね?成功率100%でしょ?フフフフ。」
「あぁ優秀な天使だな。」
と、2人して笑った。
思いが通じあったとは言え俺のバイトの休みは今日までだし夏休みも後僅かで島から離れなければならない。しかも恋した相手は天使。誰も信じないだろうひと夏の恋だった。
日も暮れて辺りが夕焼けに包まれマサキとの別れが来た。
光に覆われ翼の生えたマサキを強く抱きしめると左の翼が曲がっているのに気づいた。
「?マサキ翼が…。」
「これね、初めて飛んだ時にぶつけちゃって曲がっちゃたの。変?」
「いや。この曲がった翼もそんなおっちょこちょいのところも全部好き。」
「良かった。」
もう一度今度はさっきよりも深く長くキスをするとマサキの甘い吐息が溢れた。
「んはぁん、翔ちゃん…。」
「マサキの事忘れないからずっとずっと思ってるから。」
流れる涙を拭う事もせず俺はマサキを強く抱いた。
「翔ちゃん、俺絶対翔ちゃんを探し出して会いに行くから。」
「本当だな。絶対だぞ。お前天使何だからウソなんてつくなよ。」
「分かってるよ。必ず会いに行くから。待ってて。」
マサキが俺の頬に手を当てて涙をそっと拭った。俺はその手を強く握りしめキスをした。
「翔ちゃんありがとう。待たね。」
翼を広げ雲間から射し込む光の柱に向かってマサキは飛び立って行った。
俺は空に続くその光の柱を暫く見ていた。
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ぶいちゃん