side 翔
毎年真夏の炎天下の中汗だくになりながらこの日の為に取材をして来た。
８月15日 終戦記念日
2021年の今年は終戦から76年だそうだ。
そう言われてもピンと来ない人が多いだろう。
俺もその一人だが。
今や戦争を経験した人が少ないし覚えてる人もわずかだと思う。そして戦争を伝えられる人だって年々減っていると思われる。
長年取材をして来てもまだまだ計り知れない戦時中、戦後の凄まじい歴史を俺はこれからも伝えたて行かなくてはと改めて思っている。
スマホのカレンダーに目をやると15日にチェックが入ってた。
そうか…
俺はマスクをつけてスマホとキーを持って家を出た。
仕事の合間を縫って先に帰っているだろう雅紀にラインを送った。
『お疲れ様。冷蔵庫チェックしてみ。』
ピコン♪
『翔ちゃん、ありがと💕』
ピコン♪
『翔ちゃん、大好き💕』
ピコン♪
『翔ちゃん、早く会いたい！』
立て続けに雅紀からの返信。
俺だって早く会いたいよ。
『終わったら飛んで帰る。』
ピコン♪
『頑張ってね。』
『ただいま〜』
ドアを開けて靴を脱いで一歩入ったところで奥からバタバタと走って来た。
『おかえり翔ちゃん！』
勢いよく俺の胸に飛び込んで来た雅紀。
『おっ、おい！まだ消毒してないからっ。』
『大丈夫、熱はないよ。』
と、額を合わせて言う雅紀の笑顔の可愛さに我慢出来ず片手で雅紀の腰を抱き片手でマスクを取り外し薄く艶のあるピンクの唇にキスをした。
『雅紀、入所25周年おめでとう。』
『ありがと。あれ、仕事行く前に買って来てくれたの？』
『そう、一緒にお祝いしよう。』
『うん♪ありがと♡』
8月15日は俺にとってもう一つ大切な日だ。
愛する雅紀が俺と同じ会社に入った日。
25年前に雅紀がJ事務所に入って来てくれたおかげで出会えてデビューも出来てこうして一緒いられる。
雅紀、おめでとう そして
ありがとう。
って本当はJ-webのブログにも書きてぇんだけどなぁwww
そう言えば、雅紀の大事な日って記念日がもう一つあるんだよなぁ…
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